【結論】株式会社なかの家では、2026年に和田鈴香さんから和田梢さんへ代表を交代する計画が立てられていました。放送はまさにその年にあたります。
計画が決まったのは2022年。
「4年後の代表者交代に向けて」と、公的な記録にはっきり書かれています。
ただし交代が済んだかどうかは公表されていません。
放送は2026年9月26日(土)21時00分〜21時30分、TOKYO MX1の「日本のチカラ」。
この回の初回放送は2025年6月28日なので、番組が映すのは交代前の姿です。
- 交代の当事者は和田鈴香さん(代表取締役)と和田梢さん(取締役)
- 二人は姑と嫁の関係。梢さんは鈴香さんの長男の妻
- 計画は2022年策定。「4年後=2026年の代表者交代」と明記
- 器の準備として2022年7月に株式会社化を先に済ませている
- 当初は合同会社を検討→将来性を考えて株式会社を選択
- 交代後の狙いは福利厚生の充実とシフト制の導入
- きっかけは大分県信用組合緒方支店からの相談だった
- 2026年の代表交代という計画の中身
- 交代が予定どおり進んだかの考察
- なぜ先に法人化したのかという順番の意味
- 交代で変わるとされていた働き方
番組はこの計画にまったく触れません。
ところが大分県の公的機関が公開している事例集には、年表つきで残っていました。
先に編集部の考察、そのあと計画の中身を整理します。
【考察】交代は「計画どおり進んだ可能性が高い」と予想する
ここからは編集部の考察です。
結果は公表されていませんが、編集部は、この承継はよくある「先送り」にはならず、計画どおり動いた可能性が高いと予想します。
そう考える理由を7つ挙げます。
理由1。いちばん重い手続きが先に終わっているからです。
事業承継でつまずくのは、たいてい会社の形を整える段階です。
なかの家は2022年7月に株式会社への移行を完了させています(大分県事業承継・引継ぎ支援センター)。残るのは代表者の交代だけで、難所を4年前に越えています。
理由2。後継者がすでに役員だからです。
梢さんは法人化と同時に取締役に就任しています。
外から人を探す第三者承継と違い、候補を口説く段階も、見極める段階も終わっている。残っているのは肩書きの移動だけです。
理由3。専門家が入って計画書が作られているからです。
2022年4月から6月にかけて専門家派遣を受け、事業承継計画書の策定支援まで実施されています。
口約束ではなく書面になった計画で、期日も文書に残っています。
理由4。金融機関が起点だからです。
そもそもの相談は、大分県信用組合緒方支店から支援センターへ持ち込まれました。
取引金融機関が関わっている案件は進捗が管理されやすく、放置されにくい構造になっています。
理由5。待つ余裕がないからです。
作り手は全員70歳以上で、製造開始は早朝2時ごろ。
「早く若い人に譲りたいね」と皆が思っていたとも記録されています。体力の問題は年々重くなるため、先送りするほど不利になります。
理由6。鈴香さん側に抵抗がないからです。
承継でこじれる典型は、現経営者が手放したがらないケースです。
ところが鈴香さんは「私たちが受け継いできたものを、若い人たちに伝えてほしい」と述べ、自分の勘のデータ化にも同意しています。渡す意思が先にある案件です。
理由7。事業そのものが続いているからです。
豊後大野市観光協会が2026年2月24日に出した道の駅きよかわの紹介記事には、「酒まんじゅうも人気なんです」と書かれています(豊後大野市観光協会)。
清川町の酒まんじゅうは2026年になっても店頭に並んでいる。少なくとも廃業という結末ではありません。
ただし反対の見方もできます。
梢さんは製造工程マニュアルを「年ほど時間をかけて」作ると述べており、マニュアルの完成を交代の条件に置いていた可能性があります。
その場合、交代は2026年より後ろにずれます。
以上から、交代は計画どおりか、遅れても小幅にとどまると予想します。
ただし登記や公表があったわけではなく、あくまで編集部の推測です。
承継計画の年表
公的な事例ページに残っている記録をそのまま並べます。
「2021年センター登録、2026年事業承継予定」という見出しがついた年表です。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 1994年 | 共同出資の組合「なかの加工所」としてスタート |
| 2019年 | 和田鈴香さんが個人事業として引き継ぎ、再出発 |
| 2021年12月 | 大分県信用組合緒方支店より事業承継支援の依頼 |
| 2022年1月 | エリアコーディネーターが事前ヒアリング、課題を抽出 |
| 2022年4〜6月 | 専門家派遣により事業承継計画書の策定支援 |
| 2022年7月 | 株式会社なかの家へ組織変更。鈴香さんが代表取締役、梢さんが取締役に |
| 2026年 | 代表者交代の予定 |
この年表が作られた時点で、鈴香さんは70歳、梢さんは40歳と紹介されています。
番組の紹介では73歳と42歳なので、そちらは2025年前半の数字です。
清川町の味は、いまも道の駅などで買えます。
遠方の方は、豊後大野市の特産品を通販やふるさと納税で探すこともできます。
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※ふるさと納税の返礼品や、大分の特産品が探せます。
なぜ先に法人化したのか
代表交代より4年も前に会社の形を変えたのには、理由があります。
公的な記録には、承継を機に法人へ移行し福利厚生面の充実とシフト制の導入によって雇用環境を改善したい、という狙いが書かれています。
つまり法人化は、手続き上の都合ではなく働き方を変えるための土台でした。
個人事業のままでは、社会保険やシフト管理の仕組みを整えにくいためです。
会社の種類も検討されています。
当初は合同会社が候補でしたが、税理士のアドバイスを受け、将来性を考えて株式会社へ移行しました。
目先の手軽さより、あとで広げられることを選んだ判断です。
交代で変わるとされていたこと
梢さんが構想していたのは、大きく2つです。
| 取り組み | 中身 |
|---|---|
| 製造工程マニュアル | 経験と勘の部分までデータ化し、人が変わっても同じ商品を作れるようにする |
| 二部体制 | 早朝はお年寄り、昼からは子育て世代のママたちという勤務の分け方 |
| 採用方針の転換 | 作り手を若返らせるより、経営側に若い人材を雇用する方が現実的と判断 |
| 新商品 | 子育て世代に向けた「こびる(おやつ)」シリーズを新たに立ち上げ |
「早朝2時から」という働き方そのものを変えようとしている点が特徴です。
味を守る話と、人を集める話がひとつながりになっています。
よくある質問(Q&A)
Q1. 代表交代はもう終わったのですか?
公表されていません。
公的な事例ページにあるのは「2026年に承継予定」という計画までです。
完了したかどうかを確かめられる公開情報は見つかっていません。
Q2. 番組で交代の場面は見られますか?
おそらく見られません。
この回の初回放送は2025年6月28日で、取材はそれ以前です。
2026年の出来事は収録後にあたります。
Q3. なぜ2026年という年だったのですか?
2022年の法人化から4年後という設計だったためです。
公的な記録にも「4年後の2026年の代表者交代に向け、組織体制の整備と新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいく計画」と書かれています。
準備期間を確保するための年数でした。
Q4. お店は今も続いていますか?
清川町の酒まんじゅうは続いています。
豊後大野市観光協会が2026年2月24日に公開した道の駅きよかわの記事に「酒まんじゅうも人気なんです」とあります。
ただしその商品がなかの家のものかまでは明記されていません。
Q5. 支援センターとはどんな組織ですか?
大分県事業承継・引継ぎ支援センターで、大分県商工会連合会が関わる公的な相談窓口です。
同じ仕組みは全国の都道府県にあります。
専門家派遣や計画書づくりの支援を行っています。
Q6. 鈴香さんは引退するのですか?
引退という表現は使われていません。
計画に書かれているのは代表者の交代であり、その後の関わり方には触れられていません。
技術のデータ化に協力している立場から考えると、完全に離れるとは限りません。
放送後に注目したいこと
番組が描くのは交代の手前の姿です。
放送されるのが交代予定の年そのものだという点が、この回のいちばん面白いところだと編集部は考えます。
注目したいのはマニュアルが完成したか。
「人が変わっても同じ商品を作れるように」という目標が達成されていれば、交代は形式的な手続きになります。
まとめ
株式会社なかの家では、2026年に和田鈴香さんから和田梢さんへ代表を交代する計画が立てられていました。
計画が決まったのは2022年で、同年7月に株式会社化まで済ませています。
狙いは福利厚生の充実とシフト制の導入。
「早朝2時から」という働き方を変えるための土台づくりが、代表交代より先に進められていました。
放送は9月26日(土)21時00分からTOKYO MX1。
交代が実際に完了したかどうかは公表されていません。