【結論】ラグーナ出版は、鹿児島市にある小さな出版社。働く人の多くが心の病を抱えながら、本の企画から製本・販売までを担っています。
10月6日(火)午前1時45分から(5日の月曜深夜)、
フジテレビの「FNSドキュメンタリー大賞」枠で
「干潟になりたい」が放送されます。
鹿児島テレビが5月に地元で放送し、
全国規模の賞も受けたドキュメンタリーです。
舞台の「ラグーナ出版」がどんな会社かをまとめます。
- 2008年2月に鹿児島市で設立
- 始まりは精神科病院で生まれた雑誌「シナプスの笑い」
- 精神科医と精神保健福祉士の2人が病院を辞めて創業
- 就労継続支援A型・B型の福祉事業所でもある
- ドキュメンタリーは民放連賞で全国の優秀賞
- ラグーナ出版の会社概要
- 誰がどうやって始めた会社か
- どんな本・仕事を手がけているか
- 「干潟になりたい」の見どころと受賞歴
【考察】番組の山場は「イタリアからの来訪」がコラムの筆を動かす場面
ここからは編集部の考察です。
「干潟になりたい」の山場は、
イタリアの専門家の来訪をきっかけに、編集部の岩井雄次さんが止まっていたコラムを書き始める場面だと考えます。
そしてその来訪は偶然ではなく、会社が長年育ててきたイタリアとのつながりの延長にあると見ています。
理由を6つ挙げます。
理由1。番組表の紹介文が、そこを物語の転換点に置いているからです。
紹介文は、コラムが書けずに悩む岩井さん(取材当時55歳)の姿から、全ての精神科病院を閉じたイタリアの専門家が訪れ、「日本も変われる」と語り、岩井さんが書き始める流れで結ばれています(番組表.Gガイド)。
理由2。会長の森越まやさんが、イタリアの精神医療を研究してきた精神科医だからです。
ラグーナ出版は2022年11月に、森越さんの著書『イタリア地域精神医療の思想と実践』を刊行しています(ラグーナ出版 沿革)。
来訪の土台には、この長い関わりがあると考えられます。
理由3。会社がイタリアとの交流イベントを自ら開いているからです。
2024年4月には「精神医療保健福祉の3日間 一緒に考え、行動しよう」と題した日伊大会の第1回を開催しました。
番組が描く専門家の訪問は、こうした交流の一場面だと推測します。
理由4。取材期間が4年と長く、変化を追える作りだからです。
日本民間放送連盟賞の中央審査では「4年にわたる長期取材で築いた人間関係が見て取れる」と評され、テレビ報道番組部門の優秀賞に選ばれました(鹿児島ニュースKTS)。
書けなかった人が書けるようになる、という時間のかかる変化を映せるのは長期取材ならではです。
理由5。岩井さんのテーマが、会社の原点そのものだからです。
会社の始まりは、精神障がいの体験を言葉にする雑誌「シナプスの笑い」でした(ラグーナ出版)。
24歳で統合失調症を発症した岩井さんが「精神疾患になった自分」を書くことは、会社の20年の歩みを1人の筆に重ねる構図になります。
理由6。タイトルと社名が「潟」でつながっているように見えるからです。
「ラグーナ」はイタリア語などで潟(ラグーン)を指す言葉です。
多くの命を育てる干潟に自分たちを重ねたタイトルではないかと推測しますが、由来は公表されていません。
6つを合わせると、番組は「イタリアの経験に背中を押され、1人の社員が自分の病を言葉にするまで」を柱に描かれると考えます。
番組の構成は放送まで分かりません。あくまで考察です。
ラグーナ出版の会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 株式会社ラグーナ出版 |
| 設立 | 2008年2月 |
| 所在地 | 鹿児島市西千石町(イースト朝日ビル) |
| 代表 | 会長 森越まや/社長 川畑善博 |
| 事業 | 出版・印刷物制作・製本(A型)、衣・食・農(B型) |
| 資本金 | 1000万円 |
| 働く人 | 患者68名とスタッフ17名(2026年2月時点) |
※公式サイトと公式noteをもとにしています。
病院で生まれた雑誌から、会社へ
始まりは2006年。
社長の川畑善博さんが精神保健福祉士として働いていた鹿児島の精神科病院で、
患者さん、医師、看護師が集まり、文芸誌「シナプスの笑い」を作りました。
投稿や読者が全国から集まるようになり、
「それなら本格的な仕事にしよう」と、
2008年に株式会社ラグーナ出版を設立。
精神科医の森越まやさんと川畑さんは病院を退職し、
働きたいと願う患者さんたちと一緒に会社を立ち上げたと紹介されています。
川畑さんは20代のころ、東京の出版社で英米文学や思想の本を作っていた経験があります。
医療と出版、両方の経験がこの会社の土台です。
どんな本・仕事を手がけている?
主な仕事は、メンタルヘルスに関する本の出版です。
体験者の目線で病気を説明した『統合失調症体験事典』や、
精神科医・中井久夫さんと患者が語り合う「中井久夫と考える患者シリーズ」(全4巻)などを出しています。
ほかにも、名刺やチラシのデザイン、手作りの製本、自費出版の請け負いなど、
仕事の幅は広がっています。
2018年には第69回南日本文化賞(社会福祉部門)を受賞しました。
ラグーナ出版の本は、楽天市場やAmazonでも過去の刊行物が見つかります。
▼ ラグーナ出版の本はこちらから
※新刊・品切れの状況は販売ページでご確認ください。
「干潟になりたい」の放送と受賞歴
「干潟になりたい」は、鹿児島テレビ(KTS)が制作したドキュメンタリーです。
ナレーターは俳優の甲本雅裕さん。
- 2026年5月29日:鹿児島テレビで放送
- 2026年7月:日本民間放送連盟賞 九州・沖縄地区のテレビ報道部門で最優秀
- その後:同賞の全国審査(中央審査)で、テレビ報道番組部門の優秀賞(表彰は11月の民間放送全国大会)
- 2026年10月6日(火)午前1時45分:フジテレビの「FNSドキュメンタリー大賞」枠で放送
番組表によると、「シナプスの笑い」は年3回発行、これまでに約2万部を売り上げてきたそうです。
2026年7月にはTBS「報道特集」でも会社が紹介されました。
よくある質問(Q&A)
Q1. ラグーナ出版はどこにある?
鹿児島市西千石町のイースト朝日ビルにあります。
Q2. 社長は誰?
代表取締役社長は川畑善博さん、会長は精神科医の森越まやさんです。
Q3. 働いている人は何人?
公式noteでは、2026年2月時点で患者68名とスタッフ17名が働いていると紹介されています。
Q4. 「干潟になりたい」は初めての放送?
いいえ。2026年5月に鹿児島テレビで放送された番組です。今回はフジテレビの深夜枠での放送です。
Q5. 本はどこで買える?
公式オンラインショップのほか、ネット書店でも取り扱いがあります。
まとめ
ラグーナ出版は、精神科病院で生まれた雑誌から始まり、心の病を抱える人たちが本づくりを担う鹿児島の出版社です。
2008年の設立から、出版・製本・福祉の事業を広げてきました。
「干潟になりたい」は、10月6日(火)午前1時45分(5日深夜)からフジテレビで放送です。