【結論】『パンどろぼう』の出発点は、作者・柴田ケイコさんの名刺に描かれていた「パンをかぶったしろくま」のイラスト。それに目をとめたKADOKAWAの編集者との出会いから生まれました。
10月4日(日)午後4時から、
NHK Eテレ「だいすき!パンどろぼう 絵本作家・柴田ケイコ」では、
番組表によると「パンどろぼう誕生の秘密にも迫る」とされています。
放送前に、柴田さんがこれまでの取材で語ってきた
誕生のきっかけと制作の裏側をまとめます。
- きっかけは名刺の「パンをかぶったしろくま」
- その絵のタイトルは「パンどろぼうの結城さん」
- 「まずい」の顔は「気持ち悪いと思われないか」が不安だった
- 当初は1冊だけのつもりだった
- 今はシリーズ第8弾・累計600万部突破
- パンどろぼうが生まれたきっかけ
- 「まずい」の顔に込めた思い
- 1冊ができるまでの時間
- シリーズの歩みと受賞歴
【考察】パンどろぼうの核は「まずい」の一コマ。アニメでも最大の見せ場になる
ここからは編集部の考察です。
パンどろぼうが子どもにも大人にも愛された理由はいくつもありますが、
核にあるのは、盗んだパンをかじって「まずい」と言う、あの一コマだと考えます。
そして番組で語られる「誕生の秘密」でも、アニメでも、この場面が中心に置かれると予測します。
理由を6つ挙げます。
理由1。作者自身が、いちばん迷った場面だからです。
柴田さんは集英社オンラインの取材で、「まずい」を大きく描くことについて「“気持ち悪いと思われないか?”という不安は少しありました」と話しています(集英社オンライン)。
作り手が不安を抱えながらも残した場面は、作品の個性そのものです。
理由2。ファンレターに描かれるのが「まずい顔」だからです。
同じ取材で、届くファンレターには「パンどろぼうが大好きです」という言葉とともに、「まずい顔」のパンどろぼうの絵が添えられていることが多いと明かしています。
読者が真似して描きたくなる顔、というのは強い証拠です。
理由3。柴田さんが「オチを1つ作る」ことにこだわっているからです。
「思いっきり笑える、オチのようなポイントをひとつ作ることにこだわっています」とも語っています。
1作目のそのポイントが、あの一コマでした。
理由4。アニメ公式も、この場面を前面に出しているからです。
公式サイトは、オープニング映像の紹介で「“まずい”のシーンにも注目です」と書いています(パンどろぼう公式サイト)。
絵本の一コマが、アニメでは動きと声でどう表現されるかが、番組でも取り上げられそうです。
理由5。「見せ方で世界が変わる」と教えてくれた絵本が原点だからです。
柴田さんは、長新太さんの『ぼくのくれよん』で、見開きいっぱいに大きなクレヨンが並ぶ場面に衝撃を受けたと話しています。
ページをめくった瞬間の驚きを大切にする作り方が、「まずい」を大きく描く大胆な見せ方にもつながっていると考えます。
理由6。「1冊で終わり」のつもりが、ここまで広がったからです。
「当初は『パンどろぼう』という作品を一冊、世に送り出せたらいいかなと思っていました」と語る柴田さん。
その1冊が第8弾まで続き、アニメになりました。出発点の一コマの力が、それだけ大きかったということです。
6つを合わせると、番組の「誕生の秘密」は、名刺の1枚の絵から「まずい」の一コマにたどり着くまでの話になると予測します。
実際の内容は放送まで分かりません。あくまで考察です。
パンどろぼうが生まれたきっかけ
『パンどろぼう』が出る前、柴田さんはしろくまと食べ物の絵本シリーズを描いていました。
あるとき名刺を交換したKADOKAWAの編集者が、
名刺に描かれていたパンをかぶったしろくまのイラストに注目します。
その絵のタイトルは「パンどろぼうの結城さん」。
これが、パンどろぼう誕生のきっかけになりました。
「動物が帽子みたいにパンをかぶったら、おもしろいのでは?」という発想は、
毎朝パンを食べるほどのパン好きな日常から、急に降ってきたそうです。
パンをかぶる動物は、パンにすっぽり収まるサイズ感や、どろぼうのイメージに合うかを考え、しろくまではない別の動物に決めたとのこと。
その正体は、ぜひ絵本で確かめてみてください。
1冊ができるまで
1作目はキャラクターありきで描けましたが、
シリーズを続ける中では「毎回ちょっと苦労しています」とのこと。
ストーリーが浮かばない、下書きがうまく描けない、ということもよくあるそうです。
編集者とアイデアを出し合いながら、ストーリーとキャラクターを同時に考え、
完成までに早くて半年、長くて10か月ほどかかると話しています。
番組では、9月16日発売の第8弾『パンどろぼうとさすらいラーメン』ができあがるまでが密着されます。
シリーズの歩みと受賞歴
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2020年4月 | 『パンどろぼう』刊行。第1回TSUTAYAえほん大賞1位、リブロ絵本大賞 大賞など |
| 2021年1月 | 『パンどろぼうvsにせパンどろぼう』 |
| 2021年11月 | 『パンどろぼうとなぞのフランスパン』 |
| 2022年9月 | 『パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち』 |
| 2023年9月 | 『パンどろぼうとほっかほっカー』(MOE絵本屋さん大賞 大賞) |
| 2024年9月 | 『パンどろぼうとりんごかめん』 |
| 2026年9月 | 第8弾『パンどろぼうとさすらいラーメン』 |
※受賞歴はWikipediaの記載によります。
日本出版販売が発表した2024年の作家別絵本販売冊数では、柴田さんが1位になったと集英社オンラインが伝えています。
シリーズ累計はKADOKAWAの発表で600万部を突破しました。
アニメの前に、まずは原作の「まずい」の一コマを見ておきたい人はこちらから。
▼ パンどろぼうの絵本・グッズはこちらから
※在庫・価格は販売ページでご確認ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. パンどろぼうは何冊出ている?
物語の絵本は、2026年9月の『パンどろぼうとさすらいラーメン』で第8弾です(KADOKAWAの紹介による)。レシピ本や手芸本、ぬりえ絵本なども出ています。
Q2. 「パンどろぼうの結城さん」って?
柴田さんの名刺に描かれていた、パンをかぶったしろくまの絵のタイトルです。これが誕生のきっかけになりました。
Q3. 1冊作るのにどれくらいかかる?
本人によると、早くて半年、長くて10か月ほどです。
Q4. アニメでパンどろぼうの声は誰?
朝井彩加さんです。パンやのおじさんは諏訪部順一さん、ナレーションは花澤香菜さんです。
Q5. 番組はいつ?
NHK Eテレで10月4日(日)午後4時〜4時45分です。
まとめ
『パンどろぼう』は、名刺に描かれた1枚の絵と、それに気づいた編集者との出会いから生まれました。
作者が不安を抱えながら描いた「まずい」の顔は、今では作品の顔になっています。
誕生の秘密の答え合わせは、10月4日(日)午後4時からNHK Eテレで。