【結論】麻生要一郎さんの著書は確認できるだけで5冊。2026年1月には初の自伝も出ています。レシピ本というより読み物です。
- 光文社から3冊、オレンジページから2冊の計5冊
- 1冊目『僕の献立 本日もお疲れ様でした』は2020年11月刊
- 最新刊は2026年1月14日発売の『酸いも、甘いも。あの人がいた食卓 1977-2025』
- 最新刊は「初の自伝&食エッセイ」と紹介されている
- よしながふみさん、吉本ばななさんとの対談も収録されている
NHK「ネコメンタリー」で麻生要一郎さんを知って、本を読んでみたいと思った方も多いと思います。
ただ、どれから読めばいいのか分かりにくい。
光文社とオレンジページから出ていて、タイトルも似ているからです。
書誌データと中身を、5冊ぶん整理しました。
- 著書5冊の刊行順と出版社
- それぞれの本の中身の違い
- 最新刊の目次に何が書かれているか
- どれから読むといいか
【考察】なぜタイトルが「僕の」ばかりなのか
ここからは編集部の考察です。
麻生さんの本を並べると、あることに気づきます。
『僕の献立』『僕のいたわり飯』『僕のたべもの日記 365』。
5冊のうち3冊が「僕の」で始まっています。
料理本としてはかなり珍しい付け方です。
結論から言うと、
麻生さんの本は「作り方」ではなく「その人の生活」を売っているからだと考えます。
そう考える理由を6つ挙げます。
理由1:ふつうのレシピ本は読者を主語にする
書店の料理コーナーに並ぶ本の多くは「〇分でできる」「失敗しない」といった書き方です。
買う人が得られる結果が、そのままタイトルになります。
これに対して麻生さんの本は著者が主語。
この時点で棚のなかで浮いています。
理由2:中身がエッセイ+レシピだから
1冊目についてオレンジページは、「ありそうでなかった」タイプの料理+エッセイの仕立てと評しています(ウェルビーイング100 by オレンジページ)。
文章が半分を占める本で、著者を消すことはできません。
形式がタイトルを決めていると言えます。
理由3:出発点が一人称の言葉だった
麻生さんはインスタグラムに、その日の食卓の写真と「本日もお疲れ様でした!」という言葉を添えて投稿してきました。
1冊目のサブタイトルは、そのまま『本日もお疲れ様でした』です。
ネットで支持された一人称の言葉を、本にも持ち込んだ形になります。
理由4:評価しているのが料理界ではなく文芸の側
対談相手を見ると分かりやすいです。
『僕のいたわり飯』では漫画家のよしながふみさんと語り合い、文春オンラインの記事では麻生さんが「リアル・シロさん」と紹介されています(文春オンライン)。
最新の名店案内では小説家の吉本ばななさんと対談しています。
読み物として評価されているということです。
理由5:連載が本の母体になっている
『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』は、ウェルビーイング100 by オレンジページの連載をまとめたものです(オレンジページ)。
最新刊も同じサイトの連載「酸いも甘いも~僕の自伝的たべもの回想~」(2024年8月〜2025年9月)が母体です。
レシピの蓄積ではなく文章の蓄積から本ができています。
理由6:5冊目でついに自伝になった
これが決定打だと見ています。
最新刊『酸いも、甘いも。あの人がいた食卓 1977-2025』は、版元によって「料理家・麻生要一郎初の自伝&食エッセイ」と紹介されています(版元ドットコム)。
副題の数字は1977年=生年から2025年まで。
「僕の」で始まる路線の行き着く先が、自伝だったわけです。
以上はあくまで編集部の考察です。
タイトルの付け方について、麻生さんや出版社が説明した発言は確認できていません。
著書5冊の一覧
刊行順に並べます。
『僕のたべもの日記 365』は『365 僕のたべもの日記』と表記される場合もあります。
| 刊行 | 書名/出版社 |
|---|---|
| 2020年11月 | 『僕の献立 本日もお疲れ様でした』光文社 |
| 2022年1月19日 | 『僕のいたわり飯』光文社(A5判128ページ・1,700円+税) |
| 2024年 | 『僕のたべもの日記 365』光文社 |
| 2024年10月23日 | 『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』オレンジページ |
| 2026年1月14日 | 『酸いも、甘いも。あの人がいた食卓 1977-2025』オレンジページ(226ページ・1,800円+税) |
いずれも通販で扱われています。
放送を見てから読むなら、まずは最新刊の自伝が分かりやすいはずです。
▼ 麻生要一郎さんの著書はこちらから
※在庫や価格は変動します。リンク先でご確認ください。
それぞれの本の中身
『僕の献立 本日もお疲れ様でした』(2020年)
初の著書です。
SNSで話題となり、多くのファンを獲得したと紹介されています。
カバーの下に麻生さんのイラストが入っている、という作りの遊びもあるそうです。
『僕のいたわり飯』(2022年)
『僕の献立』に続く第2弾。
版元の紹介文は「〝いたわり〟をテーマに、心身に余裕のないときにも活用したい、シンプルで滋味深い家庭料理を紹介」です(版元ドットコム)。
この本にまつわるよしながふみさんとの対談が、文春オンラインで公開されています。
『僕のたべもの日記 365』(2024年)
光文社からの3冊目です。
タイトルどおり日記の形式で、麻生さんのインスタグラムの作りに近い1冊と考えられます。
『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』(2024年)
初めてオレンジページから出た本で、ウェルビーイング100の連載をまとめたものです。
書籍化にあたり、麻生さんのお弁当ファンでもある小説家・吉本ばななさんとの特別対談「味わうのは料理だけじゃないから~そとのごはん、麻生さんのごはん~」が収録されました。
『酸いも、甘いも。あの人がいた食卓 1977-2025』(2026年)
最新刊で、初の自伝です。
版元の紹介文には「家業の継承放棄、両親との死別、高齢姉妹との養子縁組、新たな“家族”と囲む日々の食卓…酸いも甘いも、全ては人生の調味料」とあります。
226ページ、1,800円+税。
ネコメンタリーで描かれる半生と、そのまま重なる内容です。
最新刊の目次が経歴そのもの
『酸いも、甘いも。』の目次は、麻生さんの人生の章立てになっています。
版元ドットコムに掲載されている見出しを並べます。
- 建設会社の跡取りに生まれて
- 父の早逝
- 家業継承の放棄、新島の宿
- 母の看取り、千駄ヶ谷の新居
- 麻生要一郎となる
- 高齢姉妹の息子として
- 昔も、今も、これからも。
注目したいのは「麻生要一郎となる」という章です。
いまの名前になった経緯そのものが、一章分になっているということになります。
その前が「母の看取り、千駄ヶ谷の新居」、次が「高齢姉妹の息子として」という並びです。
誤解しやすい点
| 誤解されやすい書かれ方 | 確認できること |
|---|---|
| 著書は3冊 | 光文社3冊+オレンジページ2冊で計5冊。2024年時点の紹介文には3冊までしか載っていない場合がある |
| レシピ本の著者 | いずれもエッセイの比重が高い。最新刊は自伝で、レシピ本ではない |
| 『365 僕のたべもの日記』と『僕のたべもの日記 365』は別の本 | 同じ本の表記ゆれと見られる。媒体によって順序が異なる |
| 最新刊は書き下ろし | ウェブ連載(2024年8月〜2025年9月)に書き下ろし原稿を追加したもの |
よくある質問
Q1. どれから読むといいですか?
番組をきっかけに人物を知りたいなら、最新刊の『酸いも、甘いも。あの人がいた食卓 1977-2025』が近道です。
自伝なので、生まれから現在までが順番に書かれています。
料理から入りたいなら『僕の献立』か『僕のいたわり飯』でしょう。
Q2. レシピは載っていますか?
光文社の3冊にはレシピが入っています。
ただしレシピ集ではなく、エッセイと組み合わせた作りです。
最新刊は「自伝&食エッセイ」と紹介されており、レシピ本ではありません。
Q3. 電子書籍はありますか?
『僕の献立~本日もお疲れ様でした~』は電子書籍ストアでも配信されています。
ほかの本については各ストアでご確認ください。
取り扱いは時期によって変わります。
Q4. 猫のチョビは本に出てきますか?
最新刊の紹介文に「新たな“家族”と囲む日々の食卓」とあり、章立ても千駄ヶ谷の暮らしに及んでいます。
ただしチョビが登場するかどうかは目次からは確認できません。
チョビの話がまとまって読めるのは、再春館製薬所の連載(2025年6月30日更新)です。
Q5. 連載は今も続いていますか?
ウェルビーイング100の「酸いも甘いも」は、版元の記載によれば2025年9月までの連載です。
再春館製薬所「私らしく。」の連載も、確認できる最終回は2025年10月30日更新分でした。
現在進行中の連載については公表情報から判断できません。
Q6. 対談はどこで読めますか?
よしながふみさんとの対談は、文春オンラインで2本公開されています(2022年7月11日付・『僕のいたわり飯』より)。
吉本ばななさんとの対談は『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』に収録されており、書籍でのみ読めます。
まとめ
麻生要一郎さんの著書は、確認できるだけで5冊です。
光文社から『僕の献立』『僕のいたわり飯』『僕のたべもの日記 365』、オレンジページから『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』と『酸いも、甘いも。あの人がいた食卓 1977-2025』。
タイトルが「僕の」で始まるのは、作り方ではなく生活そのものを書いている本だからだと考えられます。
その路線は2026年1月、初の自伝という形にたどり着きました。
2026年8月21日(金)のNHK Eテレ「ネコメンタリー」で描かれる半生とも、そのまま重なります。