【結論】この10年でいちばん変わったのは歌詞の言語ではなく、たどり着いた場所です。グラミー賞の授賞式と国連総会の壇上に、K-POPグループが立ちました。
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- BTSは2020年1月のグラミー賞授賞式で韓国アーティスト初のパフォーマンス
- 2021年9月20日の第76回国連総会に登壇。演説は全員が韓国語
- Big Hit Entertainmentは2021年にHYBEへ社名変更
- チケット相場や英語詞の比率は一次情報が取れず、断定できない
「昔のK-POPと今は別物」という声があります。
英語の曲が増えた、曲が短い、チケットが高い。
実感としては分かる話ばかりです。
ただ、確認できることと、実感でしかないことは分けたほうがいいと思います。
ここでは2016年を起点に、記録として残っている変化だけを並べます。
- 10年の変化の本質を編集部がどう読むか
- BTSがたどった記録の年表
- 事務所の枠組みがどう変わったか
- 語られがちだが確認できない話
- これからの見どころとQ&A
【考察】10年で変わったのは言語ではなく「立った場所」だと読む
言い切ります。
この10年の変化を「英語化」でまとめるのは、たぶん外しています。
変わったのはどこに立てるようになったかのほうです。
理由を3つ挙げます。
理由1|国連での演説は全員が韓国語だった
ここが決め手です。
BTSは2021年9月20日、ニューヨークで行われた第76回国連総会の特別イベント「持続可能な開発目標(SDGs)モーメント」の開会セッションに出席しました。
そして演説は、普段は英語圏では英語で話すRMさんも含め、全員が韓国語で行われています(音楽ナタリー)。
世界で最も注目される壇上で、あえて母語を選んでいるわけです。
少なくとも「韓国語を手放した」という見方は、このグループには当てはまりません。
英語詞は届ける手段のひとつであって、置き換えではないと考えます。
なお業界全体の英語詞比率については、判断できるデータが見つかりませんでした。
理由2|舞台の格が段階的に上がっている
年表で見ると、上がり方に段があります。
2018年8月から2019年2月にかけて世界15都市32公演のワールドツアー。
2020年1月には第62回グラミー賞の授賞式に出席し、韓国アーティストとして初のパフォーマンスを行いました(音楽ナタリー)。
翌2021年3月の第63回グラミー賞では最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネートされ、初めて単独でステージに立っています(音楽ナタリー)。
出席から単独ステージまで、1年で位置が変わっているのが分かります。
理由3|事務所そのものの枠組みが変わった
2021年3月19日、BTSやTOMORROW X TOGETHERが所属するBig Hit Entertainmentが、事業拡大のため社名をHYBEに変更すると発表しました(音楽ナタリー)。
実際の社名変更日は2021年3月30日で、発表から11日後です(Weverse Shop)。
理由として挙げられているのは事業拡大で、レーベル単位の改称ではなく会社名そのものの変更でした。
10年前のK-POPファンにとって、事務所の名前ごと変わる展開は想像しにくかったのではないでしょうか。
言語・曲の長さ・値段は、どれも数字で語りにくい部分が残ります。
一方でどこに立ったかは、日付と会場名で残ります。
だから編集部は、この10年を「到達点が変わった10年」と読みます。
あくまで予想であり、断定ではありません。
BTSの記録で見る10年の年表
確認できた記録を、時系列で並べます。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2013年6月 | BTSデビュー |
| 2014年6月 | 「NO MORE DREAM -Japanese Ver.-」で日本デビュー |
| 2015年6月 | 「FOR YOU」で初のオリコンウィークリー1位 |
| 2018年8月〜2019年2月 | 世界15都市32公演のワールドツアー |
| 2020年1月 | 第62回グラミー賞授賞式で韓国アーティスト初のパフォーマンス |
| 2021年3月 | 第63回グラミー賞でノミネート+初の単独ステージ |
| 2021年9月 | 第76回国連総会に登壇 |
この間、「Dynamite」「Butter」「Permission to Dance」はいずれもBillboard Hot 100で1位を獲得しています(音楽ナタリー)。
デビューの2013年6月から数えると、2026年8月で13年2か月になります。
後輩世代の到達点も上がっている
変化はBTSだけの話ではありません。
同じ事務所のTOMORROW X TOGETHERは2019年3月デビュー、2020年1月に日本デビューです。
| オリコン週間アルバム | 12作連続1位(海外アーティストの連続1位作品数で歴代1位を自己更新中) |
| 2022年 | 初のワールドツアー/米「Lollapalooza」初参加 |
| 2023年 | K-POPグループとして初めて同フェスのヘッドライナー |
| 2024年 | 初のドームツアー(東京・大阪・愛知・福岡) |
| 2024年末 | 第75回NHK紅白歌合戦に初出場 |
2019年3月のデビューから数えると、2024年末の紅白初出場までは約5年9か月です(音楽ナタリー)。
6年たたずにドームと紅白へ届いていることになります。
解散から再結成へ戻った例もある
華やかな話の裏では、活動を止めたグループもありました。
報道によると、2NE1は2016年に解散し、2022年に米コーチェラで完全体のステージを披露しています。
KARAは2022年11月にデビュー15周年アルバム『MOVE AGAIN』で約7年6か月ぶりに復活しました(RBB TODAY)。
この2組を見るかぎり、
いなくなったグループが数年後に戻ってくる例もあると分かります。
「全部終わってしまった」というほど単純な話ではなさそうです。
よく語られるが、確認できなかった話
ここは正直に書きます。
次の3つは、裏づけになる一次情報を見つけられませんでした。
- チケットの相場:公演ごとに価格が違い、平均値の出典が見つからない
- 英語詞の比率:増えた実感はあるが、集計データを確認できない
- 曲の長さ:短くなったという指摘の統計的な裏づけが取れない
チケット価格については、公演・座席・特典で条件がまるで違います。
「いくらが普通か」を一本の数字で語るのは、そもそも無理があります。
買う予定があるなら、その公演の公式サイトで確認するのが唯一確実です。
Q&A
Q1. BTSはいつ国連総会に出たのですか?
2021年9月20日、ニューヨークで開かれた第76回国連総会の特別イベント「SDGsモーメント」開会セッションです。
当時の文在寅大統領の紹介を受けて登壇し、演説のあとに「Permission to Dance」のパフォーマンス映像が紹介されました。
Q2. 演説は英語だったのですか?
いいえ。全員が韓国語で行いました。
普段は英語圏では英語で話すRMさんも、このときは韓国語です。
「K-POPは英語に寄った」という見方への、分かりやすい反例になります。
Q3. HYBEはいつからその名前ですか?
発表は2021年3月19日、社名の変更日は2021年3月30日です。
それまでの社名はBig Hit Entertainmentでした。
変更の理由として、事業拡大が挙げられています。
Q4. グラミー賞は受賞したのですか?
今回確認できたのはノミネートまでです。
2021年3月の第63回で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネートされ、初めて単独でステージに立ちました。
その前年の2020年1月には、韓国アーティストとして初のパフォーマンスを授賞式で行っています。
Q5. チケットは本当に高くなったのですか?
確認できませんでした。
座席の種類や特典の有無で価格帯が大きく変わるため、
「相場」として1つの数字を出すのは適切ではないと判断しました。
金額は必ずその公演の公式情報で確認してください。
Q6. この記事の考察は公式見解ですか?
いいえ。考察は編集部の予想です。
年表や社名変更などは報道で確認した事実ですが、
「10年の本質が何か」という読み方は予想にあたります。
これからの見どころ
この10年で分かったのは、到達点が数年単位で更新されてきたということです。
ワールドツアー、グラミー賞、国連総会、ドーム、紅白。
このうちグラミー賞のパフォーマンスとLollapaloozaのヘッドライナーは、韓国のアーティストとして初と報じられています。
次に注目したいのは、後続グループが同じ場所に届くまでの速さです。
TOMORROW X TOGETHERはデビューから6年たたずにドームツアーと紅白へ届きました。
この速さが続くのかどうかが、次の見どころだと思います。
そしてもう1つ、言語の選び方です。
BTSは英語詞で広く届けつつ、国連の壇上では韓国語を選びました。
この形が他のグループにも広がるのかどうかは、次の10年を見るうえでの物差しになりそうです。
まとめ
確認できたことを、短くまとめます。
- 2020年1月グラミー賞授賞式で韓国アーティスト初のパフォーマンス
- 2021年9月20日第76回国連総会に登壇。演説は全員韓国語
- 2021年3月30日にBig Hit EntertainmentがHYBEへ社名変更
- チケット相場・英語詞の比率・曲の長さは一次情報が取れず断定しない
「昔と違う」という感覚は、たぶん正しいです。
ただ中身をほどくと、言語より場所が変わった10年だったと感じます。
次の10年で、どこに立つのか。
そこを楽しみに見ていきたいところです。