【結論】第51期碁聖戦は、井山裕太碁聖が佐田篤史七段を3勝2敗で破り、6連覇を達成しました。佐田七段は先勝し、2勝2敗まで追いついた末に最終局で敗れました。
10月4日(日)12時からの
NHK Eテレ「囲碁フォーカス」は、
この夏の碁聖戦を
挑戦者の佐田篤史七段が振り返る回です。
(再放送は10月8日(木)13時10分)
放送の前に、五番勝負の流れを
1局ずつ整理しておきます。
- 最終成績は井山3勝・佐田2勝
- 第1局は佐田七段が1目半勝ちで先勝
- 第4局で2勝2敗に追いつく
- 8月21日の最終局で井山碁聖が6連覇
- 井山碁聖の碁聖獲得は通算12期に
- 五番勝負全5局の結果
- 佐田七段が挑戦者になるまで
- 「桃太郎」と「魔王」の対決の意味
- 佐田七段の次の舞台
【考察】敗れても「次の挑戦は遠くない」と見る理由
ここからは編集部の考察です。
結果だけ見れば挑戦失敗ですが、編集部はこの五番勝負で佐田七段は「タイトルを争う側」に入り、次の七大タイトル挑戦は遠くないと考えます。
理由を5つ挙げます。
理由1。挑戦権を取った相手が一力遼名人だったからです。
5月7日の挑戦者決定戦で、佐田七段は一力遼名人に185手までの黒番中押し勝ちを収めています(関西棋院ニュース)。
名人位を持つトップ棋士を倒しての挑戦でした。
理由2。井山碁聖を2度も「追う立場」に立たせたからです。
囲碁棋譜.COMの記録では、佐田七段は第1局を先勝し、1勝2敗のカド番から第4局を黒番中押しで取り返しています(囲碁棋譜.COM)。
初挑戦で最終局までもつれ込ませたこと自体が、実力の証明です。
しかも2勝の内訳は第1局が白番、第4局が黒番。先番・後番のどちらでも魔王から勝ち星を挙げたことになります。
コミのある囲碁では手番による有利不利が語られがちなだけに、どちらの手番でも結果を出せた点は大きいと見ます。
理由3。第1局は記録に残る勝利だったからです。
山陽新聞は、266手で白番1目半勝ちしたこの1局を、岡山県出身の棋士が七大タイトル戦で挙げた初めての勝利と伝えました(山陽新聞デジタル)。
初挑戦の緊張を感じさせない沈着な打ち回しだったと評しています。
理由4。次の碁聖戦でも本戦からの出場が見込まれるからです。
日本棋院の碁聖戦の要項では、前期の準決勝進出者4名は次期本戦シードとされています(日本棋院)。
挑戦者決定戦まで勝ち進んだ佐田七段は、この条件に当てはまると考えられます。
予選からやり直す必要がない分、再挑戦への距離は短くなります。
理由5。ただし、課題もはっきり見えたからです。
同じ時期に打たれた第51期棋聖戦Aリーグでは、佐田七段は3勝4敗で陥落しています(日本棋院)。
タイトル戦と並行して上位リーグを戦い抜く体力と安定感が、次の壁になりそうです。
番組でこの夏の日程をどう振り返るかにも注目です。
以上から、編集部は数年以内に佐田七段が再び七大タイトルの挑戦手合に登場すると予測します。
勝負の世界の話なので、外れることも十分あります。あくまで考察です。
第51期碁聖戦五番勝負の全結果
| 局 | 日付 | 勝者 | 内容 | 成績 |
|---|---|---|---|---|
| 第1局 | 6月23日 | 佐田 | 白番1目半勝ち | 佐田1-0 |
| 第2局 | 7月10日 | 井山 | 白番中押し勝ち | 1-1 |
| 第3局 | 7月21日 | 井山 | 黒番中押し勝ち | 井山2-1 |
| 第4局 | 8月10日 | 佐田 | 黒番中押し勝ち | 2-2 |
| 第5局 | 8月21日 | 井山 | 白番中押し勝ち | 井山3-2 |
※囲碁棋譜.COM、山陽新聞、NHKニュース、新潟日報(共同通信)をもとに作成。
第1局と第5局は大阪市の日本棋院関西総本部、第3局は東京の日本棋院東京本院で打たれました。
第1局:厚みで対抗し、1目半の逃げ切り
序盤から四隅に打ち込んで実利を取る井山碁聖に対し、佐田七段は厚みで対抗。
左辺の激しい戦いで優位に立ち、最後まで冷静に寄せ切りました。
第3局:井山碁聖の「手抜き」でカド番に
囲碁教室の解説ブログでは、中盤で大石を攻められた井山碁聖があえて守らずに別の場所へ打つ「手抜き」を選んだ場面が紹介されています。
この局を落として、佐田七段は後がなくなりました。
第5局:魔王が6連覇、通算12期目の碁聖
2勝2敗で迎えた最終局は、井山碁聖が白番中押しで勝利。
これで6連覇となり、自身の持つ碁聖の最多獲得記録を12期に伸ばしました。
佐田七段が挑戦者になるまで
碁聖戦は、予選と本戦トーナメントを勝ち抜いた1人がタイトル保持者に挑む仕組みです。
佐田七段は5月7日、東京の日本棋院で行われた挑戦者決定戦で一力遼名人を破り、自身初の七大タイトル挑戦を決めました。
関西棋院の棋士が碁聖戦の挑戦手合に出るのは、2016年の村川大介九段以来10年ぶりでした。
「桃太郎」と「魔王」の対決
佐田七段は岡山県出身で「桃太郎」、井山碁聖はその強さから「魔王」の異名を持ちます。
番組タイトルの「桃太郎、魔王に挑む!」はこの2つの愛称から来ています。
昔話と違って桃太郎は魔王退治ならずでしたが、最終局までもつれる熱戦でした。
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よくある質問(Q&A)
Q1. 碁聖戦の結果は?
井山裕太碁聖が3勝2敗で防衛し、6連覇しました。
Q2. 佐田七段が勝ったのはどの局?
第1局(6月23日)と第4局(8月10日)です。
Q3. 碁聖戦の賞金は?
日本棋院の棋戦情報では、優勝賞金は800万円とされています。
Q4. 持ち時間は?
挑戦手合は各4時間の1日制で、先に3勝した方がタイトルを獲得します。
Q5. 番組では誰が解説する?
番組表では、講師に横塚力八段、司会に羽根彩夏二段の名前があります。
Q6. 番組はいつ?
NHK Eテレ「囲碁フォーカス」10月4日(日)12時〜12時30分。再放送は10月8日(木)13時10分です。
まとめ
第51期碁聖戦は、佐田篤史七段が先勝し2勝2敗まで追いついたものの、最終局で井山裕太碁聖が勝って6連覇という結末でした。
初挑戦でフルセットまで戦った佐田七段の次の挑戦に期待が集まります。
「囲碁フォーカス」は10月4日(日)12時からNHK Eテレで放送予定です。