【結論】GMOの熊谷正寿代表のX投稿が批判されたのは、捜査の報告に笑顔の自撮りを添えたことと、公開情報を載せていない投稿にまで「刑事告訴」と警告したことや、家族構成に触れたことです。GMOは会社の削除のお願いについて、基準外のものは取り下げるなど対応すると説明しています。
- 10月27日夜、熊谷代表は警視庁の捜査を伝える記事と笑顔の自撮りを投稿
- 一般ユーザーに期限までに削除されなければ刑事告訴と警告
- 警告先には公開情報そのものは載せていない投稿もあったとジェイキャストニュースが報道
- GMOは「熊谷自身の判断で発信」と説明し、会社の削除要請は基準外なら取り下げる方針
「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスで、攻撃者とみられる者が利用者の情報と称するものを公開した直後、熊谷正寿代表のX投稿に注目が集まりました。
話題になったのは、自撮り写真と「刑事告訴」の警告です。
この記事では、本人の投稿を日時つきで並べ直し、どこが問題視されたのか、GMOがどう説明したのかを整理します。
内容は10月28日18時20分時点の第14報までの公表情報にもとづきます。
- 熊谷代表がXに投稿した内容と日時
- 批判が集まった3つの点
- GMOが報道機関に示した削除要請の基準
- 「刑事告訴」の警告が実際どこまで進みそうか(編集部の予想)
【考察】熊谷代表の「刑事告訴」警告は実際に告訴まで進む?
ここからは編集部の予想です。
私は、熊谷代表が個人のXで出した警告の多くは、そのまま告訴には進まないと見ています。
会社として法的措置を取るのは、犯人サイトへの誘導や掲載内容の転載など、悪質性の高い投稿に絞られるという読みです。
理由1:GMO自身が「取り下げ」に言及した
GMOはジェイキャストニュースの取材に、短時間に多数の投稿を確認するなかで自社の投稿を引用した投稿にも連絡したものがあると認めました(ジェイキャストニュース)。
そのうえで、基準に照らして対象とならないものは「お願いを取り下げるなど、適切に対応」すると答えています。
会社が基準外と認める投稿まで告訴に進めるとは考えにくく、警告の一部は取り下げで終わると見るのが自然です。
この回答は会社としての削除のお願いについてのもので、熊谷代表個人の警告を取り下げるとまでは述べていません。
ただ、23時40分の警告投稿には引用元がGMO公式の投稿だという補足情報が付いており、基準外の例にあたる可能性があります。
理由2:公式の方針は「悪質性の高いもの」に限っている
10月28日11時時点の第13報は、犯人サイトに載った情報の投稿や転載、拡散のうち「悪質性の高いもの」に刑事告訴を含む法的措置を取ると書いています(GMOインターネットグループ 第13報)。
投稿内容やURL、日時を記録・保全し、Xへの通報や警察への情報提供を行い、悪質な行為には発信者情報開示請求、損害賠償請求、刑事告訴を含む法的措置を講じるとしています。
個人アカウントの「本気です」という一言より、この公式の線引きが実際の判断基準になると私は考えます。
理由3:公表された数字は「告訴」ではなく「警告連絡」
10月28日18時20分時点の第14報で示された数字は、X上の関連投稿への累計20件の警告連絡です(GMOインターネットグループ 第14報)。
告訴した件数は書かれていません。
まずは削除を促して拡散を止めることが優先で、告訴は削除に応じない悪質なケースに限った「最後の手段」として残している段階だと読みます。
一方で、cokiによると、0時19分の警告先は攻撃者側サイトの画面をモザイク付きで載せた投稿で、GMO公式も28日10時までの削除を求め、悪質な拡散者には開示請求や刑事告訴・告発などの準備を進めていると伝えていました(coki)。
2つの警告は、扱いが分かれる可能性があります。
犯人サイトのURLを貼る、掲載内容を転載するといった行為は、公式が名指しで控えるよう求めています。
こうした投稿については、実際に法的措置へ進む可能性が十分にあると見ておくべきです。
警告の強さと、実際に手続きへ進む範囲は分けて考えるのがよさそうです。
熊谷代表がXに投稿した内容と日時
熊谷代表は自身のX(表示名「熊谷正寿【GMO】」)で、10月27日夜から28日未明にかけて本件に関する投稿を続けました。
主な投稿を日本時間で並べると次のとおりです。
| 日時(日本時間) | 投稿の中身 |
|---|---|
| 10月27日 21時50分 | 総額100万ドルの懸賞金を告知 |
| 10月27日 23時19分 | 警視庁の捜査を伝える記事を紹介し、国際刑事警察機構にも相談済みと投稿。笑顔の自撮りを添付 |
| 10月27日 23時40分 | 一般ユーザーに、指定の時間までに削除されなければ刑事告訴すると警告 |
| 10月28日 0時9分 | 記者の投稿を引用し、家族構成に触れたうえで「人として有り得ません」と投稿 |
| 10月28日 0時19分 | 別の一般ユーザーに、指定の時刻までに削除されなければ刑事告訴すると警告 |
警視庁の捜査報道と自撮り写真
23時19分の投稿で、熊谷代表は「日本だけではありません」と書き、国際刑事警察機構にも相談済みだと伝えました(熊谷正寿氏のX)。
紹介した記事は、警視庁が不正アクセス禁止法違反容疑などで捜査していると報じたものです(共同通信)。
添えられた写真は、青い旗と国際刑事警察機構のロゴを背景に、熊谷代表が腕を伸ばして笑顔で撮った自撮りです。
投稿には撮影した日時や場所の説明はありません。
国際刑事警察機構への相談は熊谷代表の投稿による説明で、同機構が捜査を始めたという発表ではありません。
一般ユーザーへの「刑事告訴」警告
23時40分には、GMO公式の投稿を引用して感想を書いたアカウントに対し、「本気です。遊び半分で被害者の情報を拡散することは許しません。」と警告しました(熊谷正寿氏のX)。
翌0時19分にも、別のアカウントに期限までの削除を求めています。
家族への謝罪訪問を明かした投稿
0時9分の投稿では、記者の投稿に「激しく同感です。」と応じ、幹部が家族のもとへ謝罪に訪れたと明かしました(熊谷正寿氏のX)。
続けて「明日以降、拡散をする方は刑事告訴いたします。」と書いています。
この投稿は公開されたとみられる家族構成に触れており、本記事ではその部分を引用しません。
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批判が集まった3つの点
報道や投稿への補足情報を読むと、批判は次の3点に集まっています。
- 自撮りの笑顔:国際刑事警察機構への相談報告に笑顔の自撮りを添えたことを疑問視する反応が出たとcokiが報じました
- 警告の相手:公開情報そのものは載せていない投稿にも警告が届き、疑問の声が上がったとジェイキャストニュースが報じました
- 家族構成への言及:家族構成が事実だと認めたように受け取れる、との指摘があるとジェイキャストニュースが報じました
1点目について、cokiは写真の構図を青い旗とロゴを背景にした笑顔の写真と伝えています(coki)。
2点目では、23時40分の警告投稿にX利用者による補足情報(コミュニティノート)が付きました。
引用されているのはGMO公式アカウントの投稿だ、という趣旨です。
3点目の0時9分の投稿にも補足情報が付き、家族構成も照合しだいで本人の識別につながりうるという趣旨が示されています。
攻撃者が公開した情報について、GMOは事実と異なる内容が含まれていることを確認したとしているとジェイキャストニュースは伝えています(ジェイキャストニュース)。
GMOが示した説明と削除要請の基準
GMOはジェイキャストニュースの取材に対し、熊谷代表の投稿は「熊谷自身の判断で発信しております」と答えました(ジェイキャストニュース)。
拡散をやめてほしいという思いからの発信で、会社の方針は公式のお知らせ(第11報・第12報)のとおりだとしています。
削除をお願いする対象は、犯人サイトへのリンクの掲載や掲載内容の転載など、拡散・誘導につながるおそれのある投稿だと説明しています。
さらに、「当社の投稿に対するご意見そのものを対象とするものではございません」と明言しました。
家族構成をめぐる指摘については、個々の内容への回答は控えるとしています。
第13報・第14報と警視庁の捜査
投稿が話題になった10月28日、GMOは2本の続報を出しました。
第13報では、日本時間10月28日午前4時頃に犯人サイトのドメインが停止されたことを確認したと発表しています(GMOインターネットグループ 第13報)。
第14報では、懸賞金の専用窓口に開設から6時間で113件の情報が寄せられたと公表しました(GMOインターネットグループ 第14報)。
捜査については、テレビ朝日が警視庁のサイバー犯罪対策課などが捜査していると報じています(テレビ朝日)。
さらに共同通信は、政府が通信各社に脅迫サイトへの接続の強制遮断を要請していたことが29日に分かったと報じました(共同通信)。
熊谷代表のX投稿に関するQ&A
Q1. 自撮り写真はいつどこで撮ったものですか?
投稿には撮影日時や場所の説明がありません。
写っているのは国際刑事警察機構の旗とロゴですが、今回の相談のために撮ったものかどうかは分かりません。
Q2. GMOの投稿を引用しただけで告訴されますか?
GMOは、自社の投稿への意見そのものは対象ではないと説明しています。
基準に照らして対象外の投稿は、お願いを取り下げるなどの対応をするとしています。
ただし、犯人サイトへのリンクや掲載内容を含む引用は対象になりえます。
Q3. 警察はどこまで動いていますか?
共同通信などによると、警視庁が不正アクセス禁止法違反容疑などで捜査しています。
GMOは10月22日に警察へ相談したと公式の経緯欄に記しています。
逮捕などの発表は、10月29日朝の時点で出ていません。
Q4. 熊谷代表の投稿はGMOの公式見解ですか?
GMOは「熊谷自身の判断で発信」と答えています。
会社としての方針は、公式サイトの重要なお知らせ(第11報以降)で示されています。
Q5. 削除を求められたら、どうすればいいですか?
第13報は、被害の拡大につながる投稿は直ちに削除するよう強く求めています。
一方でGMOは、基準に照らして対象外のものはお願いを取り下げるとも説明しています。
投稿に犯人サイトのリンクや掲載内容が含まれていないか、まず自分で確かめるのが出発点です。
Q6. 考察の内容は確かな情報ですか?
考察は、公式発表と報道をもとにした編集部の予想です。
告訴するかどうか、誰を対象にするかはGMOが判断することで、確定した情報ではありません。
今後の公式発表で見通しが変わる可能性があります。
今後の見通し
注目点は、警告した投稿のうちどれを取り下げ、どれを法的措置に進めるかです。
GMOは第14報で、X上の警告連絡の件数を公表しました。
熊谷代表本人が投稿の意図や写真について追加で説明するかも焦点です。
捜査の進展も含め、公式の続報を確認していきたいところです。
まとめ
熊谷代表のX投稿が問題視されたのは、笑顔の自撮り、公開情報を載せていない投稿への告訴警告、家族構成への言及の3点です。
GMOは投稿を熊谷代表自身の判断と説明し、対象外の投稿へのお願いは取り下げるとしています。
会社としての法的措置は、犯人サイトへの誘導や転載など悪質性の高い拡散が対象です。
意見を書くことと、情報を広めることは別物です。
犯人サイトのURLや掲載内容は、見かけても広めないことを心がけましょう。