【結論】5年かけて10万枚だった商品が、1年で20万枚。壁は性能ではなく「人前で着られるか」でした。
- 今季(2026年4月〜7月24日)の出荷は20万枚
- 前年の通年実績は約5.5万枚。380%超の伸び
- 2020年発売からの累計は30万枚
- つまり累計の3分の2が今季1年に集中している
- 開発時の最大の課題は性能ではなく市場の認知だった
- 放送は2026年8月15日(土)11時27分・テレビ東京「ビジネスレポート+」
- 売れ方が変わった年の数字
- 伸びた理由の考察(性能ではない)
- 開発チームが語っていた「壁」
- 2026年に加わった改良
- 放送で語られそうな部分
8月15日の「ビジネスレポート+」で紹介される、
日本シグマックスの冷感ポンチョ「ザムスト COOL SHADER」。
調べていて引っかかったのは、売れ方の形でした。
5年かけて10万枚、そこから1年で20万枚。
この段差には理由があるはずです。
【考察】売れなかった理由は性能ではなく「見た目」だったと考える
ここからは編集部の考察です。
普通、急に売れたと聞けば新機能を疑います。
ですが数字と開発の経緯を並べると、止まっていたのは製品側ではなく受け手側だったと考えるようになりました。理由を挙げます。
理由1:開発側が壁を「認知」だと明言している。
開発の経緯を紹介した記事では、最大の課題が市場の認知だったとされ、「周りが使っていないから使いたくない」という消費者心理と「見た目が気になる」という抵抗感が購入の障壁だったと語られています(PR TIMES STORY)。
効かないから売れなかった、とは書かれていません。
理由2:この壁は「自分で壊せない」種類のもの。
周りが使っていないから使わない、という理由は他人の行動に依存しています。
広告を打っても一人ひとりは動きにくく、ある人数を超えた瞬間に一気に崩れる性質があると考えます。今季の跳ね方はその形に見えます。
理由3:伸び方が直線でない。
2020年の発売から累計30万枚のうち、今季が20万枚です(PR TIMES)。
残り10万枚を5年かけて積んだ計算になります。毎年少しずつ増えた形ではないという点が、地道な改良の成果とは考えにくい根拠だと考えます。
理由4:前年比の取り方が「通年 対 4か月」。
380%超という数字は、前年の通年実績 約5.5万枚と今季4か月の20万枚を比べたものです。
期間の条件が同じではありません。実際の年間の伸びはさらに大きくなる可能性があると考えます。ここは数字の読み方として押さえておきたい点です。
理由5:ベスト型の追加が入口を広げた。
2025年3月にアクティブベストが加わりました。
ポンチョは全身を覆うぶん人目につきますが、ベストは羽織る形です。見た目の抵抗感が低いほうが用意されたことで、最初の1枚を買える人が増えたと考えます。
理由6:価格が横並びに置かれている。
ポンチョもベストも4,499円(税込)で同額です。
値段で迷わせない設計なので、選ぶ理由が「どちらが着やすいか」だけに絞られます。買う手前のハードルを1つ減らしていると考えます。
理由7:2026年の改良は追い風であって主因ではない。
2026年3月30日に近赤外線を遮蔽する新仕様が発表され、4月14日にオンラインで発売されています(日本シグマックス)。
効き目は増したはずですが、店頭で見て分かる違いではありません。4倍近い伸びを説明する主因としては弱いと考えます。
ここまではあくまで考察・推測です。
メーカーが伸びの理由を分析して公表しているわけではありません。
公表された数字と開発の経緯から読み取れる範囲の話になります。
数字を並べてみる
2026年7月28日の発表内容を整理します。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 今季の出荷 | 20万枚(2026年4月〜7月24日) |
| 前年の通年実績 | 約5.5万枚 |
| 比較 | 前年通年の380%超 |
| 累計 | 30万枚(2020年の発売以来) |
| 差し引き | 今季を除く5年分=約10万枚 |
| 発表日 | 2026年7月28日 |
いちばん目を引くのは最後の行です。
2020年から2025年までの5年で約10万枚、2026年の4か月だけで20万枚。
累計の3分の2が今季に集中しています。
この発表でコメントしているのはザムスト事業部長の曽川浩一さんです。
なお8月15日の番組に出るのは同じ事業部の山口憲士さんで、別の方にあたります。
▼ ザムスト クールシェイダーはこちらから探せます
開発チームが語っていた「壁」
出発点は炎天下のスポーツ現場でした。
熱中症だけでなく不快感や集中力の低下が課題になっている、という現場の声から開発が始まったとされています。
ところが完成後に立ちはだかったのは、別の種類の問題でした。
- 「周りが使っていないから使いたくない」という心理
- 「見た目が気になる」という外観への抵抗感
どちらも製品の性能とは無関係です。
涼しいかどうかではなく、着ている姿を人にどう見られるか、という話でした。
2026年に加わった改良
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2020年 | 冷感ポンチョとして発売 |
| 2025年3月 | アクティブベストを追加 |
| 2026年3月30日 | 近赤外線遮蔽の新仕様を発表 |
| 2026年4月14日 | オンラインショップで発売 |
| 2026年4月下旬 | スポーツ量販店で発売 |
| 2026年7月28日 | 今季20万枚突破を発表 |
並べると、ベスト型の追加が前年、新仕様が今季頭という順番です。
売れ方が変わったのは新仕様の年ですが、入口を広げたのは前年のベストだった可能性があります。
価格はどちらも4,499円(税込)に据え置かれています。
機能が増えても値上げしていない点は、広げることを優先した判断に見えます。
よくある質問
Q1. 何枚売れているのですか?
今季(2026年4月〜7月24日)で20万枚、2020年の発売以来の累計で30万枚と公表されています。
Q2. 380%というのは何と比べた数字ですか?
前年の通年実績である約5.5万枚と比べた数字です。今季の20万枚は4か月分なので、期間の条件は同じではない点に注意が必要です。
Q3. 新機能が付いたから売れたのですか?
2026年に近赤外線遮蔽が加わりましたが、店頭で見て分かる違いではありません。開発側が語っていた壁は性能ではなく市場の認知でした。
Q4. 値上げはされましたか?
されていません。ポンチョ・アクティブベストとも4,499円(税込)のままです。
Q5. 品切れになりませんか?
在庫状況は公表されていません。ただし前年の4倍近い勢いで動いている商品なので、夏の盛りは選択肢が狭まる可能性があります。
Q6. どこの会社ですか?
日本シグマックス株式会社です。医療機関向けサポーターを手がける医療機器メーカーで、ザムストはそのスポーツ向けブランドにあたります。
Q7. 放送はいつですか?
2026年8月15日(土)11時27分から11時30分まで、テレビ東京「ビジネスレポート+」です。3分間の番組です。
放送で語られそうなこと
番組の紹介文は「電源不要で屋外でも使える工夫と、開発の背景に迫ります」です。
数字の話が出るとすれば、今季の急伸をどう受け止めているかという部分だと考えます。
特に気になるのは、売れなかった5年をどう耐えたのかです。
認知が壁だと分かっていて、それでも作り続けた判断があったはずですが、そこは公表資料に出てきません。
供給の話も出るかもしれません。
前年の4倍近い量が動いている以上、生産が追いつくかは現実的な課題になっているはずです。
まとめ
ザムスト クールシェイダーが今季伸びた理由は、性能が変わったからではないと考えます。
開発側が語っていた壁は「周りが使っていない」「見た目が気になる」という受け手側の心理でした。
5年で約10万枚、そこから4か月で20万枚。
この形は、ある人数を超えた瞬間に抵抗感が消えるタイプの崩れ方に見えます。
8月15日の「ビジネスレポート+」では、その開発の背景が語られます。
数字を知ってから見ると、3分でも読みごたえが出るはずです。