【結論】石川樹脂工業の売上は2024年9月期で22億円。ここから2030年に100億円を目指しています。鍵は「値段を自分で決められる」商売への転換です。
- 直近の売上=22億円(2024年9月期)
- 目標=2030年に100億円
- ARASの初年度売上=1億円
- いまは全社売上の約半分がD2C
- ARASのテスト販売開始は2020年2月
- 石川樹脂工業の売上規模と成長目標
- ARASがどれくらい売れているのか
- 下請けとD2Cで何が決定的に違うのかの考察
- 100億円という数字の現実味
7月30日のカンブリア宮殿で取り上げられる石川樹脂工業。
番組は「崖っぷちの下請けから自社ブランドで大逆転」というテーマを掲げています。
では実際、どれくらい儲かっているのか。
数字で見るとどんな会社なのかを先に整理しておきます。
【考察】22億から100億へ。効いているのは「値段を誰が決めるか」
ここからは編集部の考察です。
公表されている数字を前提に、解釈の部分は推測として書きます。
結論を言うと、
下請けと自社ブランドの決定的な差は、値段を自分で決められるかどうかだと考えています。
そしてこの差が、100億円という目標の前提になっています。
理由1:下請けは、どれだけ腕を上げても単価が上がりにくい
OEM、つまり他社ブランドの製品を請け負う仕事では、
価格を決めるのは基本的に発注する側です。
技術を磨いて不良を減らしても、
その成果は値下げ圧力として回収されがちです。
努力が単価に跳ね返らない構造になっています。
この構造の中で売上を4倍以上に伸ばすには、
単純に受注量を4倍以上にするしかありません。
従業員100名規模の工場で、それは現実的とは言えないはずです。
理由2:D2Cが半分を占めるところまで来ている
中小機構が運営する100億企業成長ポータルの取材によれば、
現在は全社売上のおよそ半分がD2Cだとされています。
D2Cは消費者へ直接売る形です。
間に問屋も小売も入りません。
つまり値付けの主導権が自社にあるということです。
同じ皿を1枚作るにしても、
下請けで納めるのと自社ブランドで売るのとでは、
手元に残る金額がまるで違います。
売上の質そのものが入れ替わったと見るべきでしょう。
理由3:ARASの伸び方が「1億スタート」だったこと
ARASの初年度売上は1億円とされています。
会社全体が22億円ですから、最初は数パーセントの存在でした。
それが数年でD2C半分という比率まで来ている。
ここから読み取れるのは、
ブランド事業は立ち上がりが遅く、あとから急に効いてくるという性質です。
逆に言えば、1億円の時点で見切りをつけていたら今はありません。
100億円という目標は、
この立ち上がりカーブがもう一段続く前提で置かれた数字だと考えられます。
ただしこれは編集部の考察です。
会社側が「値付けの主導権が要因だ」と説明した記録は確認できていません。
原材料費や為替など、別の要素が効いている可能性もあります。
公表されている数字の一覧
| 項目 | 数字 | 時点 |
|---|---|---|
| 全社売上 | 22億円 | 2024年9月期 |
| 売上目標 | 100億円 | 2030年 |
| ARAS初年度売上 | 1億円 | 立ち上げ時 |
| D2C比率 | 全社売上の約半分 | 2026年2月時点 |
| ARASテスト販売 | 開始 | 2020年2月 |
これらの数字は、中小機構が運営する100億企業成長ポータルの
2026年2月13日付の取材記事で公表されているものです。
ここまでの伸び方はどうだったのか
100億円という目標だけを見ると、いきなり出てきた数字に見えます。
ただ、その前段にあたる実績も語られています。
ビジネスカンファレンスICCでの登壇内容によれば、
石川樹脂工業は全体の売上を3年で3割アップさせることを達成したとされています。
3割という数字は、派手ではありません。
ですが下請け中心の製造業で3年3割は決して小さくない伸びです。
ARASを立ち上げながら、既存事業も落としていないことになります。
新規事業を始めると、たいていは本業がおろそかになります。
そこを両立させた実績があるからこそ、
100億円という目標にも一定の裏づけがあると言えそうです。
100億円は達成できる数字なのか
22億円から100億円は、およそ4.5倍です。
2030年までとすると、残りは数年しかありません。
正直に言えば、かなり高い目標です。
ただし会社側は、これに向けた具体策も語っています。
ひとつが新工場の建設です。
現在の成形工場を閉鎖して新たに建てる計画で、
中小企業成長加速化補助金の活用が予定されています。
新工場は無人化や人型ロボットの導入を視野に入れた設計とされています。
単に規模を広げるのではなく、
人を増やさずに生産量を上げる方向を選んでいるのが特徴です。
よくある質問
Q1. 石川樹脂工業は上場していますか?
上場していません。
非上場のため、四半期ごとの決算発表もありません。
売上などの数字が分かるのは、
取材で会社側が語ったときだけです。
Q2. D2Cとは何ですか?
Direct to Consumer の略で、
メーカーが消費者へ直接売る形を指します。
自社のオンラインストアで売るのが典型です。
問屋や小売を通さないぶん、価格や売り方を自分で決められます。
Q3. OEMはもうやめてしまったのですか?
やめてはいません。
取材記事によれば、自社ブランド事業とOEM事業がおよそ半分ずつという構成です。
下請けを切り捨てたのではなく、
もう一本の柱を立てたという表現が正確です。
Q4. ARASはいつから売られているのですか?
テスト販売の開始は2020年2月とされています。
ちょうど新型コロナが広がり始めた時期にあたります。
飲食店向けが厳しくなる一方で、
家庭用の需要が伸びた時期でもありました。
Q5. 従業員は何人くらいですか?
正確な最新の人数は公表されていません。
参考になるのは、石川勤さんが入社した2016年当時で120〜130名という証言です。
現在の人数は変動している可能性があるため、
この数字は当時のものとして受け取ってください。
Q6. 補助金をもらって工場を建てるのですか?
取材記事では中小企業成長加速化補助金の活用を予定していると語られています。
ただし採択されたかどうかや、
実際の金額については公表されていません。
「使う予定である」という段階の情報です。
放送情報
| 番組 | カンブリア宮殿 |
| 放送日時 | 2026年7月30日(木)23:06〜23:55 |
| 放送局 | テレビ東京系列(TXN・6局) |
| 系列外の地域 | 遅れネットまたは未放送の場合あり |
| 見逃し配信 | TVer/テレ東BIZ |
テレビ東京系列は全国6局です。
系列局のない地域では放送が遅れるか、放送されないことがあります。
その場合は配信で確認してください。
今後の見通し
放送後は「石川樹脂工業 売上」「石川樹脂工業 年収」といった検索が増えると予想されます。
ただし非上場企業なので、
公開されているのは取材で語られた範囲だけです。
詳細な利益や社員の給与水準は出てきません。
番組では、22億円という現在地と100億円という目標の
間をどう埋めるつもりなのかが語られる可能性があります。
数字の背景を知りたい人は、そこに注目すると面白いはずです。
まとめ
石川樹脂工業の売上は2024年9月期で22億円。
そこから2030年に100億円という目標を掲げています。
ARASは初年度1億円からスタートし、
現在は全社売上の約半分がD2Cという構成にまで来ました。
編集部は、この転換の本質を「値段を自分で決められる商売に移ったこと」と考えています。
放送は2026年7月30日(木)23時06分から、テレビ東京系です。