【結論】ゴカイの血は、人工血液の材料として実際に研究されています。
- カギはヘモグロビンの入れ物の違い
- ゴカイは赤血球に入れていない
- そのため血液型を選ばないとされる
- フランスで臨床試験が報じられている
- 実用化はまだ途上
- 関連番組は8月9日(日)23時30分・Eテレ
- なぜゴカイの血が人に使えるのか(考察)
- 赤血球に入っていないことの意味
- 報じられている臨床試験の中身
- まだ言い切れないこと
- サイエンスZEROの放送予定
釣りエサのゴカイが医療に使われる。
冗談みたいな話ですが、
これは実際に進んでいる研究です。
8月9日のサイエンスZEROでも
この方向の話が扱われます。
【考察】すごいのは性能ではなく、しまい方だった
ここからは編集部の考察です。
結論から書くと、ゴカイの血が注目されたのは能力が高いからではなく、ヘモグロビンの「しまい方」が人と違っていたからだと考えます。
理由1:人の輸血が難しいのは、袋のせい。
人のヘモグロビンは赤血球という袋に入っています。
そして血液型を決めているのは、
中身ではなく袋の表面です。
だから型が合わないと拒絶される。
問題は酸素を運ぶ力ではなく、
入れ物の相性のほうにありました。
理由2:ゴカイは袋を使っていない。
ゴカイのヘモグロビンは
赤血球に入らず、血液に溶けたまま存在します。
報道によれば、この構造のおかげで
すべての血液型に適合できるとされています(AFPBB News)。
袋がなければ、袋の相性でもめることもない。
単純ですが、決定的な違いです。
理由3:運搬量も桁が違うと報じられている。
財経新聞の記事では、
ゴカイのヘモグロビンが
人の血液の40倍以上の酸素を運べると紹介されています(財経新聞)。
ただしこれは報道で伝えられた数値で、
条件によって変わる可能性があります。
数字そのものより、
桁が違うレベルで注目されたと受け取るのが妥当だと考えます。
なお、番組でこの人工血液が扱われるかは
公表されていません。
ここに書いたのは報道資料からの考察であり、
放送内容の予告ではありません。
人とゴカイのヘモグロビンを並べてみる
違いを表にすると、
なぜ研究対象になったのかが
分かりやすくなります。
| 項目 | ヒト | ゴカイ |
|---|---|---|
| 入れ物 | 赤血球の中 | 血液に溶けている |
| 血液型 | 合わせる必要あり | 選ばないとされる |
| 注目点 | — | 酸素運搬量の多さ |
ゴカイは潮の満ち引きのある場所で暮らします。
水がある時間と、干上がる時間。
酸素の量が激しく変わる環境です。
そこで生きるために
酸素をため込む仕組みが発達したと考えられています。
臨床試験はどこまで進んでいるのか
研究の中心はフランスです。
報道によれば、
2015年に臨床試験が始まったとされています。
- 2015年に臨床試験を開始と報じられた
- 最初は腎移植の10例に使用
- その後約60人が参加したとされる
- 用途は移植臓器の保存など
ここで注意したいのは、
「人の血の代わりにそのまま入れる」段階では
まだないということです。
移植する臓器を運ぶあいだ生かしておく、
といった使い方が先に検討されています。
いきなり輸血が置き換わる話ではありません。
防災や脳の研究にも関係するのか
番組のタイトルには
医療・防災・脳の解明という3つが並んでいます。
このうち医療については上のとおりですが、
残る2つは裏付けとなる資料を確認できませんでした。
推測で埋めることもできますが、
それをやると間違った情報が残るだけです。
この2つについては
番組で説明されるのを待つのが正解だと考えます。
ゲストは名古屋大学の自見直人講師。
多毛類の分類を専門とする研究者です。
どんな性質が防災につながるのか、
そこが今回の見どころになりそうです。
よくある質問
Q1. 釣りエサのゴカイと同じ生きものですか?
ゴカイは多毛類という大きなグループの総称で、
非常に多くの種類がいます。
研究に使われる種と
釣具店で売られている種が
同一とは限りません。
Q2. もう病院で使われているのですか?
一般的な医療として普及してはいません。
報じられているのは臨床試験の段階までです。
実用化の時期についても
確認できる情報はありませんでした。
Q3. 副作用はないのですか?
安全性の詳細は
公表資料からは確認できませんでした。
臨床試験が行われているということは、
まさにそれを確かめている段階だということです。
Q4. 日本でも研究されていますか?
人工血液そのものについては
フランスの取り組みが多く報じられています。
日本国内の同種の研究については
確認できませんでした。
Q5. なぜゴカイだけが特別なのですか?
ヘモグロビンを赤血球に入れずに使うという点が
大きな違いです。
加えて、酸素の少ない泥の中で
生き延びる必要があったことが
背景にあると考えられます。
Q6. 番組は何時からですか?
2026年8月9日(日)23時30分〜24時、
NHK Eテレでの放送です。
司会は井上咲楽さんと浅井理アナウンサーです。
まとめ
ゴカイの血が医療で注目されたのは、
ヘモグロビンを赤血球に入れていないからでした。
袋がないぶん血液型を選ばず、
報道では酸素運搬量も桁違いだと伝えられています。
ただし、実用化はまだ途上です。
干潟で生き延びるための仕組みが、人の医療に転がり込んだ。
そういう段階だと考えるのが正確でしょう。
放送は8月9日(日)23時30分・Eテレです。