グリーンランドはW杯に出られる日が来る?FIFA規約で3つの通説を検証

【結論】止まっているのは芝でも国連でもなく、大陸連盟の入口です。FIFA規約は「先に大陸連盟へ入ること」を条件にしています。

@shougun0315

なぜサッカー大国って言われてるグリーンランドはW杯出られないの#サッカー #ワールドカップ

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この記事で分かること
  • 出られる日が来るのか(編集部の考察)
  • よく言われる3つの説の正誤
  • FIFA規約が求める本当の条件
  • 人工芝は認められているという事実
  • ウェールズが加盟していられる条文上の理由
目次

【考察】グリーンランドはW杯に出られる日が来るのか

ここからは編集部の予想です。公式発表ではありません。

数年単位では、まず無理
私はそう見ています。
そして道は1本しかありません
CONCACAFへの再挑戦です。
理由を3つ書きます。

理由1:FIFAへ直接申し込む道が、条文上ない

FIFA規約の第11条第2項は、加盟は「その協会が現在すでに大陸連盟の加盟協会である場合にのみ認められる」と定めています(FIFA規約2024)。
順番が決まっているわけです。
大陸連盟が先、FIFAが後
つまりFIFAの扉を直接叩く選択肢は存在しません
ここが一番動かしにくい部分です。

理由2:入口はCONCACAFしかない

グリーンランドはデンマーク王国の自治領ですが、地理的には北米に位置していますEJIL:Talk!)。
だから申請先もヨーロッパのUEFAではなくCONCACAFでした。
その唯一の入口が、2025年6月に全会一致で閉じられていますESPN)。
反対が1票もなかった
この結果を数年でひっくり返すのは、正直かなり重いと思います。

理由3:既存加盟の「例外」は使えない

ここが誤解の多いところです。
規約の第11条第6項には「この条文は既存の加盟協会の地位に影響しない」と書かれています。
さらに第5項英国の4協会は別々の加盟協会として認められると明記。
つまりウェールズやスコットランドが加盟していられるのは「すでに入っているから」です。
新しく入る側は、この救済を使えません
「前例があるじゃないか」という主張が通りにくいのは、この条文のためだと考えています。

ではいつなら動きうるのか。
私が見ているのは2つの時計です。
1つはCONCACAF側の顔ぶれと空気
全会一致という結果は、個別の反対ではなく共通の理由があったことを示します。
その共通点が変わらない限り、再申請しても同じ結論になりやすい。
もう1つはグリーンランド自体の立ち位置です。
デンマーク王国との関係が動けば、規約の「国」の定義に対する当てはまり方も変わります
どちらもサッカー協会の努力だけでは動かせない要素です。

では可能性はゼロか。
そこまでは言いません。
規約は書き換えられるものですし、CONCACAFの構成国の顔ぶれや情勢も変わります
ただ順番だけは動かない
大陸連盟に入るまで、W杯予選の話は始まりません
注目すべきは代表チームの強さではなく、次にどこへ申請するかだと見ています。
なおこれはあくまで予想であり、断定ではありません

よく言われる3つの説を検証する

SNSでは3つの理由がセットで語られがちです。
原文に当たると、評価は割れました

よく言われる説検証
①寒くて天然芝が育たないから条件を満たせない✕ 不正確。天然芝は必須ではない
CONCACAFに断られた○ 事実。2025年6月に全会一致で否決
国連が認めた独立国でないと入れない△ 半分。定義は事実だが例外条文がある

順に見ていきます。

①天然芝は必須ではない

これははっきり違います
競技規則を作るIFABの第1条は、ピッチについて「完全な天然の表面、または競技会規定が認める場合は完全な人工の表面でなければならない」と定めています(IFAB)。
つまり競技会のルールが認めれば、全面人工芝で公式戦ができます
ハイブリッド(天然と人工の組み合わせ)も、規定が認めれば可能です。
ちなみに人工芝の色は緑でなければならないという決まりまであります。
寒さは障害にはなりますが、規則上の壁ではありません

②CONCACAFの否決は事実

ここは動画のとおりでした。
グリーンランドサッカー協会は2024年5月にCONCACAFへ加盟を申請
そして2025年6月、CONCACAFの臨時総会で加盟各国が全会一致で否決しましたESPN)。
CONCACAFの説明は「事務局と理事会による徹底した審査に基づき、CONCACAF規約に従って加盟各国が申請を検討し、全会一致で否決した」という趣旨のもの。
個別の理由までは示されていません

ちなみにグリーンランドの人口は約56,500人と報じられています。
世界最大の島で、これだけの規模。
数字だけ見ると、なかなか想像がつきません

「人口の1割が選手登録」という説も流れていますが、公的な資料で裏が取れなかったため、この記事では数字を扱いません。

③「国連加盟国でないとダメ」は半分だけ正しい

規約の定義を見ると、確かにそう書いてあります。
「Country(国)とは、国連加盟国の過半数が独立国として承認している国家」FIFA規約2024)。
そして第11条第1項は、その国のサッカーを統括する協会が加盟協会になれるとし、1つの国につき1協会と定めています。

ただしここで終わらないのが大事な点です。
同じ第11条の第5項第6項を並べます。

  • 第5項:英国の4協会はそれぞれ別の加盟協会として認められる
  • 第6項:この条文は既存の加盟協会の地位に影響しない

つまり独立国の定義は、すでに入っている協会には適用されません
だからウェールズもスコットランドも北アイルランドも、そのまま加盟協会でいられる。
ルールが緩いのではなく、線が引かれた時期の違いです。
この区別を落とすと、「あの国は良くてなぜグリーンランドは駄目なのか」という話がこじれます。

結局どこで止まっているのか

整理すると、止まっている場所は1か所です。

段階現状
ピッチなど競技環境規則上の障害なし(人工芝可)
大陸連盟への加盟否決済み(2025年6月)
FIFAへの加盟大陸連盟が前提のため進めない
W杯予選への出場そもそも土俵に立てていない

芝の話は入口ですらなかった
調べていて、そこが一番意外でした。

よくある質問

Q1. グリーンランドはFIFAに加盟していますか?

していません
FIFA規約は大陸連盟の加盟が前提と定めており、その大陸連盟への加盟が2025年6月に否決されています。

Q2. なぜUEFAではなくCONCACAFに申請したのですか?

地理的に北米に位置するためです。
デンマーク王国の自治領ですが、島そのものは北米側にあります。

Q3. 寒さは本当に関係ないのですか?

規則上の障害にはなりません
IFABの競技規則は競技会規定が認めれば全面人工芝でよいとしています。
ただし運営上の負担が軽いという意味ではありません

Q4. ウェールズは国連加盟国ではないのに、なぜ出場できるのですか?

FIFA規約第11条第5項英国の4協会が別々の加盟協会と明記され、第6項既存加盟協会の地位は影響を受けないとされているためです。

Q5. CONCACAFは否決の理由を説明しましたか?

個別の理由は示されていません
公表されたのは「規約に従って審査し、全会一致で否決した」という趣旨の説明までです。

Q6. 再申請はできますか?

制度上、申請そのものが封じられたわけではありません
ただし今後の見通しについての公式発表は確認できません
この記事の考察は編集部の予想です。

まとめ

  • 天然芝が必須という規則はない(人工芝可)
  • CONCACAF加盟は2025年6月に全会一致で否決
  • FIFA加盟は大陸連盟の加盟が前提(第11条第2項)
  • 独立国の定義はあるが既存加盟協会には及ばない(同第6項)
  • 次の焦点は代表の強さではなくどこへ申請するか

寒いから出られない
語り口としては分かりやすいのですが、条文はまったく別の場所を指していました
調べ直して、印象が入れ替わった話です。