【結論】プロ野球で話題になっている超スローボールは、遅さそのものではなく直球との球速差で成立しています。
@shougun0315 なぜプロ野球ではスローボールが流行ってるのか#野球
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- 2026年5月8日、甲子園で阪神・村上頌樹投手が58キロを投げた
- その翌9日には同じ甲子園で大竹耕太郎投手が67キロを投げた
- 大竹の67キロは直前の1球が142キロで、球速差は75キロ
- 報じられている使い手は阪神の投手に偏っている
- 遅球は決まる時ばかりではなく、ボール判定や死球になった例もある
プロ野球の中継で、
球速表示に「58」と出た瞬間に球場がどよめく。
2026年5月には、甲子園で2日続けてそうした場面が報じられました。
速球との大きな差が話題になるなかで、
なぜ60キロ前後の遅い球が使われるのか。
しかも、それが連日出るのはなぜか。
この記事では、報じられている実例を並べながら理由を追いかけます。
【考察】スローボールが増えた理由は「球速差の余白」とみる
増えているのは「遅い球」ではなく「球速差の使い方」
私はこう読みます。
投手が増やしているのは遅球そのものではなく、速球との大きな「球速差」を使う配球です。
同じ58キロでも、149キロを併せ持つ投手が投げるから武器になる。
遅い球を単独で評価しても、この現象は説明できないと考えます。
なお、リーグ全体で直球が速くなったことを示す統計は今回確認できていません。
理由1:話題になった遅球は必ず速球とセットで投げられている
2026年5月9日の大竹耕太郎投手の67キロは、
直前の1球が142キロでした。
差は75キロです(Full-Count)。
2025年6月6日に村上頌樹投手が58キロを投げた時は、
次の1球がその日最速タイの149キロで、差は91キロでした(デイリースポーツ)。
単独で投げられた例が報道に出てきません。
理由2:決め球としての成功率が高いから、では説明がつかない
もし「よく決まるから増えた」のなら、
結果が伴っているはずです。
ところが5月8日の58キロはボール判定(THE ANSWER)。
2025年10月15日には64キロが打者に当たって死球になっています(Full-Count)。
それでも投げられているのは、1球単位の結果だけでは測れない配球上の狙いがあるからだとみます。
理由3:使い手が球団単位で偏っている
報道はこの2日間を「連日の“遅球共演”となった」と表現しました。
同じ球団の別々の投手が続けて投げたからです。
実際に「阪神投手陣はスローボールの使い手が多い」と明記されています(Full-Count)。
使い手が複数いることから、チーム内で配球の知見が共有されている可能性はあります。
ただし、チーム方針だと確認できる資料は見つかっていません。
この予想が外れるとすれば
外れる筋も書いておきます。
ひとつは、球速差とは関係なく単に流行として広がっている場合です。
球場が沸くこと自体が目的なら、直球の速さは関係ありません。
もうひとつは、他球団でも同じくらい投げられているのに報じられていない場合です。
今回の探索ではリーグ全体で遅球が増えたという統計は見つかりませんでした。
阪神以外の実例がまとまって出てくれば、「球団単位の偏り」という理由3は崩れます。
答え合わせができるのは秋以降
シーズンが進めば、
投球データの年間集計が出てきます。
いま材料になっているのは、その都度の報道だけです。
そこで90キロ未満の投球数が球団別に並べば、
この予想が当たっていたかどうかは判断できます。
短期決戦でも同じ球が出るかどうかが目安になります。
あくまで予想であり、断定ではありません。
甲子園で何が起きたのか|2026年5月8日と9日
まず事実を整理します。
舞台はどちらも甲子園球場、
相手はどちらもDeNAでした。
2026年5月8日。
阪神の先発は村上頌樹投手。
2点ビハインドの6回2死走者なし、
打席はDeNA・宮崎選手。
その初球に投じたのが58キロでした(Full-Count)。
判定はボールです。
この日の村上投手は7回2失点6奪三振で、今季3敗目を喫しています(THE ANSWER)。
翌5月9日。
先発は大竹耕太郎投手。
4回2死で迎えたヒュンメル選手の打席で、
初球140キロ、2球目142キロの直球でカウント1-1とし、
3球目に真ん中低めへ67キロを投げました。
ヒュンメル選手はフルスイングして空振りしています(デイリースポーツ)。
注目したいのはコースです。
逃げた球ではなく真ん中低め。
打ちごろの高さに来た球を、
本気で振って当たらなかったという記録になっています。
さらにこの打席は続きがあります。
大竹投手は106キロの外角チェンジアップでボールを挟み、
次の114キロの外角チェンジアップで見逃し三振に仕留めました。
速い球へ戻さず、遅い球を重ねたのが特徴です。
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解説書から入ると全体像がつかみやすいところです。
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遅球の実例を一覧で比べる
報じられている球を並べると、
球速だけでは何も分からないことが見えてきます。
| 日付 | 投手 | 球速 | 打者・場面 | 結果 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年6月5日 | 山崎伊織(巨人) | 87キロ | 藤原恭大/3回1死 | 本塁打 | THE ANSWER |
| 2025年6月6日 | 村上頌樹(阪神) | 58キロ | 広岡/3回2死 | ボール | デイリースポーツ |
| 2025年10月15日 | 村上頌樹(阪神) | 64キロ | 林琢真/2回 | 死球 | Full-Count |
| 2025年10月25日 | 村上頌樹(阪神) | 59キロ | 牧原大成/2回2死 | ストライク | Full-Count |
| 2026年5月8日 | 村上頌樹(阪神) | 58キロ | 宮崎/6回2死 | ボール | THE ANSWER |
| 2026年5月9日 | 大竹耕太郎(阪神) | 67キロ | ヒュンメル/4回2死 | 空振り→見逃し三振 | デイリースポーツ |
6例のうち、
打席全体で打ち取れたのは2例です(大竹の見逃し三振と日本シリーズの三ゴロ)。
ボールが2例、死球が1例、本塁打が1例。
投げれば必ず決まる球とは言えません。
ただしこの6例は報道で取り上げられた抜粋で、全投球の集計ではありません。
それでも投げられ続けている。
ここが今回の話題の面白いところです。
海外や球場での反応
5月8日の58キロは国内だけの話題では終わりませんでした。
米国のデータ会社Codify BaseballがXで動画を引用し、
「アメリカのみんな、これが時速36マイル(58キロ)だ!」と紹介しています(THE ANSWER)。
58キロはおおよそ36マイルにあたります。
2025年の日本シリーズ第1戦でも、
村上投手は2回2死で牧原大成選手に59キロを投げ、
判定はストライクでした。
続く2球目は137キロのツーシームで三ゴロに打ち取っています。
この時のファンの反応も残っています。
「80キロの緩急差は凄い!」
「重力に逆らっている」
「スローボールの領域超えてますw」
といった声が集まりました(Full-Count)。
紹介された反応の一つには、遅さそのものだけでなく
速球との緩急差への驚きが表れています。
実測の差は78キロで、「80キロ」はファンの概算表現です。
誤解されやすい点を整理する
誤解1:プロ野球全体で流行している。
今回調べた範囲では、リーグ全体で遅球が増えたという統計は確認できませんでした。
報じられている実例は阪神の投手が中心です。
誤解2:遅球の直後は直球が160キロ以上に感じる。
体感が変わるという説明はよく語られますが、
具体的な数値の裏付けは見つかりませんでした。
確かなのは実測の球速差のほうです。
誤解3:遅球はいつでも打者を惑わせる。
2025年6月5日にはロッテ・藤原恭大選手が、
巨人・山崎伊織投手の87キロのスローカーブを右翼席へ運んでいます(THE ANSWER)。
ノーステップ打法での一発でした。
この場面について、
解説者の野村弘樹氏は「2-2からはちょっと難しい感じがしますよね」と述べています(BASEBALL KING)。
カウント2-2から選んだ球でした。
投げる場面を選ぶ球だと読み取れます。
Q&A|スローボールのよくある疑問
Q1. 現役で一番遅い球を投げているのは誰ですか?
報道で繰り返し取り上げられているのは阪神・村上頌樹投手です。
2026年5月8日の58キロのほか、
2025年には4月18日にファビアン選手へ62キロ、5月16日に末包選手へ64キロを投げ、
その後も59キロや64キロが報じられています(デイリースポーツ)。
ただし全投手の最遅記録を網羅した公式集計は確認できていません。
Q2. なぜわざわざボールになる球を投げるのですか?
ボールになった例は実際にあります。
それでも投げるのは、
その1球だけで完結させていないからだと考えられます。
大竹投手のように遅い球を続けて重ねる使い方も報じられています。
Q3. 遅球は打者に当たると危なくないですか?
実際に2025年10月15日、
村上投手の64キロがDeNA・林琢真選手に当たり死球となりました。
確認できた事例では、遅い球でも狙ったコースに収まるとは限りません。
スピードの遅さと制球の易しさは別だと分かります。
Q4. 記事の考察部分はどこまで確かですか?
考察はあくまで編集部の予想です。
球速や日付、打者名は報道で確認した事実ですが、
「なぜ増えたのか」の理由を球団や本人が説明した記録は見つかっていません。
読み物として受け取ってください。
Q5. スローボールとスローカーブは違うものですか?
報道でも両方の呼び方が混在しています。
大きな弧を描いて極端に遅い球をまとめてスローボール、
そのうち曲がりを伴うものをスローカーブと呼ぶ形が多いところです。
厳密な線引きの公式定義は示されていません。
Q6. 甘いコースなのに空振りするのはなぜですか?
大竹投手の67キロは真ん中低めでしたが、
ヒュンメル選手はフルスイングで空振りしています。
直前が142キロだったため球速差が効いた可能性はありますが、
打者本人の説明は報じられていません。
今後の見通し
ここまでの流れを踏まえると、
注目点は3つに絞れます。
- 阪神以外の投手から同じような遅球が出るか
- 短期決戦の場面でも同じ配球を選ぶか
- 打者側が対応策を口にし始めるか
特に3つ目は重要です。
藤原恭大選手の一発のように、
打者が捉えた例はすでに出ています。
対策が広がれば、投げる頻度は下がるはずです。
逆に、投手側がコースの精度を上げてくる可能性もあります。
死球になった例があるだけに、
制球の安定は次の課題として残っています。
球場で観戦する予定がある人は、
球速表示ではなく「1球前の球速」に目を向けると、
この話題はぐっと面白くなります。
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まとめ
- 2026年5月8日に58キロ、翌9日に67キロが甲子園で出た
- いずれも直前か直後に140キロ台がセットになっている
- 報じられている使い手は阪神の投手が中心
- ボール判定・死球・本塁打と、決まらなかった例も多い
- 編集部は「速球との球速差を使う配球」が広がったとみている(予想)
遅い球が話題になるのは、
その球が遅いからではありません。
速い球を持っている投手が投げるから、驚きになる。
そう考えると、この現象は速球と遅球の球速差を使う配球として現れている可能性があります。
次に中継を見る時は、
球速表示を2球分並べて眺めてみてください。
数字の落差が、そのまま打席の空気になっています。