東洋製罐が宇宙で作るのは「容器」!SPACE FOODSPHERE参画の中身と2040年までのロードマップ

【結論】東洋製罐グループが宇宙で担当しているのは食料ではなく「容器」。月面での容器の循環と地産が目標です。

  • 参画先は一般社団法人SPACE FOODSPHERE(2020年4月設立)
  • 同じ枠にJAXA・味の素・NTTデータ・辻調理師専門学校も並ぶ
  • 公式ロードマップは2040年の火星基地まで引かれている
  • カンブリア宮殿の放送は2026年8月13日23時06分(テレビ東京)
この記事で分かること
  • 東洋製罐グループが宇宙で何を担当しているのか
  • SPACE FOODSPHEREとはどんな団体か
  • 2040年までのロードマップの中身
  • 会長・大塚一男さんの技術者としての経歴

2026年8月13日(木)23時06分から、
テレビ東京「カンブリア宮殿」に
東洋製罐グループが登場します。

缶やペットボトルの会社、という認識で調べると、
意外な名前が出てきます。
宇宙食の研究団体に参画しているのです。
しかも担当は「食べ物」ではありません。

目次

【考察】なぜ缶メーカーが「宇宙食」の団体に入っているのか

ここからは編集部の考察です。
結論を先に言うと、月面で足りなくなるのは食料ではなく、容器を捨てられないという制約のほうだからだと考えています。
理由を7つ挙げます。

理由①:公式の役割説明が「容器」だけだから。
SPACE FOODSPHEREの公式サイトに載っている
東洋製罐グループの関与はこうです。
「宇宙での食生活に必要不可欠でありながら、循環が求められる”容器”
月面や宇宙空間における容器の『循環』・『地産』・『QOL向上』の実現を目的として、
SFSの活動をサポートしています」(SPACE FOODSPHERE)。
食品側には一切踏み込んでいません。

理由②:「地産」という言葉が入っているから。
地球から容器を運び続けるのではなく、
月で容器を作るという前提が置かれています。
これは食料生産とは別の、素材と成形の問題です。
容器メーカーでなければ担えません。

理由③:団体の目的が「資源循環」だから。
SPACE FOODSPHEREが掲げる解決策の第1は
「高度資源循環型食料生産システム」で、
有機性廃棄物・水・空気の再生システムを含みます。
使い捨て容器はこの循環の穴になります。

理由④:もうひとつの柱がQOLだから。
解決策の第2は「食関連のQOL改善ソリューション」
公式サイトは、月や火星のように即座の帰還が難しい閉鎖環境では
「心身の健康や人間関係の維持などの面でこれまでのセオリーが通用せず」
と書いています。
容器は食事の見た目と体験を決める部分で、ここに直結します。

理由⑤:この会社が容器で「循環」をやってきたから。
東洋製罐グループは金属・プラスチック・紙・ガラスと
素材を横断する総合容器メーカーです。
素材が違えばリサイクルの筋道も違う。
複数素材を扱ってきた経験が、閉じた環境では効きます。

理由⑥:政府主導のプロジェクトだから。
SPACE FOODSPHEREが進めるStardust Programは、
内閣府「宇宙開発利用加速化プログラム」の一環である
農林水産省の戦略プロジェクト
「月面等における長期滞在を支える高度資源循環型食料供給システムの開発」です。
企業単独の夢物語ではありません。

理由⑦:会長が技術者出身だから。
東洋製罐グループホールディングスの取締役会長・大塚一男さんは、
大学で機械工学を学び、そのまま入社した技術者です。
容器の構造で勝負してきた会社の顔として、
宇宙という制約だらけの環境は相性がいい。

ここから先は予測です。
放送では「宇宙」の話が出るとしても、
おそらく最後の数分でしょう。
番組の予告は身近な容器の技術と歴史が中心だからです。
あくまで考察であり、放送内容を事前に確認したものではありません。

SPACE FOODSPHEREとはどんな団体か

名称一般社団法人 SPACE FOODSPHERE
設立2020年4月
所在地東京都墨田区横川1-16-3 センターオブガレージ
目的宇宙食料関連マーケットの早期創出に向けた産学官連携の促進
代表理事小正 瑞季(UntroD Capital Japan)

掲げているビジョンは
宇宙から共に創る、人と食と地球の未来。」。
月1回の会員全体会合を開き、
会員企業や有識者のインプット、各プロジェクトの進捗共有、
新規プロジェクトの検討などを行っています。

参画しているのは容器メーカーだけではありません。
公式サイトに掲載されている顔ぶれの一部を挙げます。

  • JAXA=J-SPARC活動の一環として企画・運営に関与
  • 味の素=調味料・栄養加工食品などの事業から参画
  • 辻調理師専門学校=新たな宇宙食の調理・メニュー開発
  • 日揮グローバル=月面基地模擬施設の設計を担当
  • WOTA=月面で持続可能な水システムの構築
  • 三井不動産=2020年に会員として入会。日本橋で場を提供

調理学校と重工系エンジニアリング会社が
同じ名簿に並ぶのが、この団体の特徴です。
食を「作る・運ぶ・容れる・片づける」まで一続きで扱おうとしている、ということでしょう。

公式ロードマップは2040年まで引かれている

時期予定されている段階
2020年SPACE FOODSPHERE設立/Stardust Program開始
2025年低軌道および月面実験の開始/地上での各種ソリューション活用拡大
2030年月面探査活動におけるシステム利用開始/月面でのシステム実証
2035年月面基地でのシステム実装開始/火星往還船での実装開始
2040年火星基地におけるシステム実装開始

タイトルは
Road to Moon, Mars and a Sustainable Earth」。
月と火星だけでなく、
持続可能な地球が並記されているのがポイントです。

このロードマップは団体が公式サイトに掲げる構想です。各年の達成が確約されているわけではありません。

2025年の欄に
「地球上における各種ソリューションの活用拡大」とあるとおり、
宇宙向けに作った技術を地上で使うことが
最初から計画に組み込まれています。
企業が参加しやすい設計です。

会長・大塚一男さんはどんな人か

氏名大塚 一男(おおつか かずお)
現職東洋製罐グループホールディングス 取締役会長
兼務グループサステナビリティ委員長
出身秋田県
学歴1983年3月 慶応義塾大学 工学部 機械工学科 卒業
入社1983年4月 東洋製罐

注意したい点があります。
ネット上には「大塚一男社長」という表記が大量に残っていますが、
2026年8月時点の公式役員一覧では
取締役会長です(東洋製罐グループホールディングス)。

現在の代表取締役社長は中村琢司さん。
最高技術責任者およびグループ技術開発機能統轄を兼ねています。
古い記事を読むときは肩書きの日付に注意が必要です。

SPACE FOODSPHEREの公式サイトに掲載されているのは会社としての参画で、大塚さん個人の名前は記載されていません。大塚さんと宇宙食の取り組みを結びつける記述は、2020年5月14日付の@DIMEの記事によるものです。

よくある質問(Q&A)

Q1. 東洋製罐は宇宙食そのものを作っているのですか?

いいえ。公式サイトに書かれた役割は「容器」です。月面や宇宙空間での容器の「循環」「地産」「QOL向上」を目的として活動をサポートする、とされています。食品そのものは味の素や辻調理師専門学校など別のメンバーが担当しています。

Q2. SPACE FOODSPHEREはいつできた団体ですか?

2020年4月設立の一般社団法人です。所在地は東京都墨田区横川。宇宙食料関連マーケットの早期創出に向けて、産学官の連携を促進することを目的としています。

Q3. 国の事業と関係がありますか?

あります。Stardust Programは内閣府「宇宙開発利用加速化プログラム(スターダストプログラム)」の一環である農林水産省の戦略プロジェクト「月面等における長期滞在を支える高度資源循環型食料供給システムの開発」を推進するものです。2021年12月には、SPACE FOODSPHEREを代表機関とするコンソーシアムが政府主導の研究開発プロジェクトに選定されたと発表されています。

Q4. 大塚一男さんは社長ですか会長ですか?

公式の役員一覧では取締役会長です。2018年に社長へ就任した経緯があるため「社長」表記の記事が多く残っていますが、現在の代表取締役社長は中村琢司さんです。

Q5. 2040年に火星基地ができるということですか?

公式ロードマップでは2040年の欄に「火星基地におけるシステム実装開始」と書かれています。ただしこれは団体が掲げる構想であり、実現が確約されたスケジュールではありません。

Q6. カンブリア宮殿の放送はいつですか?

2026年8月13日(木)23時06分から、テレビ東京で放送予定です。番組の予告では「世界初!日本発!を連発…ヒット商品を支える巨大黒子企業の全貌」として、容器の歴史と技術が紹介されるとされています。

今後の見通し

ロードマップ上、いまは2025年の段階を過ぎたところです。
「低軌道および月面実験の開始」が始まる時期にあたります。

次の節目は2030年
月面探査活動でシステムの利用が始まる想定で、
ここで容器がどう扱われるかが見えてくるはずです。

そして忘れてはいけないのが、
ロードマップに「地球上における各種ソリューションの活用拡大」
並んで書かれていることです。
宇宙の話が、そのまま身近な容器の話に戻ってくる設計になっています。

まとめ

東洋製罐グループが宇宙で担当しているのは
食料ではなく容器
月面での「循環」「地産」「QOL向上」が目標です。

参画先は2020年4月設立のSPACE FOODSPHERE
JAXAや味の素、調理学校、プラント会社まで並ぶ団体で、
国の戦略プロジェクトとも結びついています。

公式ロードマップは2040年の火星基地まで。
缶を作ってきた会社が、
「捨てられない場所での容器」という一点で呼ばれている——
そう考えると、この参画は唐突な話ではありません。

参照リンク

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